また、新幹線からの投稿です。最終「のぞみ」で帰阪しています。
それはさておき、マーケティングは、もちろんいろいろ知識の引き出しがあったほうがベターですが、知識だけではマーケティングはできません。
いくら、知識を並べても、机上ですばらしい計画書を書けても、新しい統計手法を駆使できたところで、マーケティング・マインドやマーケティング・センスがないと、それらは単なる枝葉でしかありません。
マーケット・シェアを例にとってみましょう。シェアという言葉を知っていても、それがどのような現実を意味しているかをイメージできなければ、創造的な解決は生み出せません。
みなさんは、マーケット・シェアをどのように見ていますか?
マーケットの勢力地図と見る人が多いと思います。しかし、ずいぶん評論家的な視点です。あるいは、マーケティングを戦闘として見る視点です。その視点からは、きっと、勢力争いに勝つために価格を下げよう、広告を増やそう、リベートを出して、とにかく小売店さんに買っもらおうといったパワー^ゲームの発想しかでてきません。
私の場合は、マーケット・シェアは、その商品の共感率、支持率だとイメージしています。お客さまに、その商品をレジにまで持っていっていただけた確率だと考えます。例えば、スーパーにお越しになったお客さまのうち、その商品分野、たとえばインスタントラーメンを買うお客さまは、すべてのお客さまではありません。例えば10%だとしましょう。マーケット・シェアが10%というのは、その10人の一人の限られたお客さまのうちの、さらに10人に一人だけに買っていただいているということです。つまり100人に一人のお客さまに買っていただけるということです。これは売り場に立つと分かるのですが大変なことです。買っていただいた場面を見ると本当に感謝したくなります。
そんなお客さまが次の買い物の時に他の商品をお買いになるとすると、数少ない出会ったお客さまを失ったということを意味します。こういった具体的なイメージで、なにが大切であり、なにをすれば、100人内の2人、10人の内2人にかっていただけるようになるかをとことん考えていくと、アイデアはどんどん出てくるはずです。
コンピュータの発展で、知識さえあれば、誰もが多変量解析を駆使できる時代です。しかし、そうであればあるほど、そういったマーケティングの原点をともすれば見失いがちです。マーケティングは、極めて具体的で、実践的なものです。理論・知識におぼれず、生活者の人びとの生の声を自ら聞き、また生活者の人びとが商品と出会う店頭を自らの眼で確かめることからスタートすることが成功の近道です。