もうご存知の方もいらっしゃると思いますが、署名で書く記者の「ニュース日記」』でひと騒動が起こっています。
報告書の締め切りと株主総会が重なったこともあり、ちょっとこのblogから目を離していたのですが『あざらしサラダ』さんのコメントで、共同通信のサイトが大変なことになっているということを教えていただきました。さっそく見てみると大変な騒ぎになっていました。
ことの発端は、編集長がLivedoorの堀江社長のblog「社長日記」を読み、

「ご商売のことも書いておられるが、はっきり言って、これこそ「スノッブ」以外の何ものでもない」

「ちょっと言いすぎたかもしれないが、こういうのが鼻持ちならないというやつだ。読んでいる人たちにはぜひ言いたい。こんなのにだまくらかされていてはいけない!」


以上のような、ちょとマスコミに働く方の発言とは思えない内容を書いたことに始まりました。
このいわれのない中傷に対して、堀江社長はこの記事を紹介し、スノッブでもかまわないと軽く流したのですが、それを読んだ人たちから、この共同通信のblogに、抗議のコメントが殺到しました。

アクセスの急増とコメントの殺到で、このblogは、いきなりLivedoorの総合ランキング20に登場するようになりましたが、この事件があるまえは、気の毒なくらいアクセスも少なく、私を含めた数人がコメントやトラックバックを送っているにすぎませんでした。

その頃から、このblogをご存じの方は、気づいておられたと思いますが、私とこの編集長さんとの間で何度かのやりとりがありました。その流れの中で、「『共同通信というマスメディアの枠』というのは、なにか規則とか規定でもあるのでしょうか?新聞社で働いたことがないのでピンときません。』という短いコメントを出しました。

それに対して、伊藤記者が記事で「枠」について考え方を書かれ、さらに小池編集長が後日「枠をもう一度」という補足の記事を追加されました。
ちょっと不思議なのは、こういった「枠」の問題を議論しているなかで、個人を中傷する記事のを書かれたことです。腑に落ちません。

「枠」に関するご意見を読んだり、今回の「事件」を見る限り、結局は「枠」があるという思いこみがあり、それを疑ったり、吟味がなされてこなかっのではないかと感じます。はたしてそれでいいのかという疑問を持ちます。

今日のようにインターネットが普及してくると、既存メディアの価値がどんどん低下してきています。低下して、衰退するだけならいいのですが、一般の企業と異なり、マスメディアの場合、質の低い報道や間違った報道で社会をミスリードしてしまうということがあるのです。
そういった責任を背負っているマスメディアに働く人たちには、もっと自分たちの責任とか、理念、また存在理由みたいな根本から考えるということを真面目にやってほしいというのが私の立場です。

おそらく、今日のように産業活動も、消費行動も、社会も多様化してくると、「総合型」のメディアでは、複雑すぎる現実に、取材も人材もついてこれない状態になっているのだと思います。
多くの方が痛感していらっしゃるでしょうが、私が理解できる範囲の問題、つまり消費動向をはじめとしたマーケティングに関わるさまざまな情報については、新聞やマスコミの記事は、ほとんど参考にならないばかりか、間違った報道、誤解を生む報道をしているを気づくことがあります。
間違った報道が、社会をミスリードすることには怖さがあります。バブル崩壊以降の消費マインドの冷え込みは、マスコミや銀行出身の一部のエコノミストの人たち、いわば現場を知らない人たちの危機を煽る言動が大きく影響したと思っています。木村剛さんが、「デフレ論者はどこにいったのか」と書かれた気持ちもよく分かります。
「マスコミ不況」であったということは、最近同じ主張をなさっている方がいらっしゃることがわかりました。やはり消費行動をよく研究されている方でした。

いずれにしても、今回は「枠」を越え、ちょっといただけない勇み足をしてしまったために、奇妙に注目されてしまった共同通信のblogですが、今後の対応に注目したいところです。今回のケースをよく学んで、生きたコミュニケーションを模索してほしいところです。
すくなくとも、Livedloorという会社を研究もしないで、個人を中傷するというのはいただけないので、マスコミというよりは良識ある市民として謝罪ぐらいはすべきだと思います。
そうでなければ、Livedoorさんの多くの個人投資家のみなさんの怒りが収まれば、またアクセスが激減していき、「所詮マスコミ人はいいぱなしで気楽だ」という評価しか残らないと思います。

共同通信のみなさまには、ぜひ、今回の「事件」から逃げずに、はからずも生まれた「コミュニケーション・チャンス」を生かしてもらいたいものです。


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