2004年06月23日
小さな会社がつくる参入障壁
さて、昨日書いたように、いざ新規事業を立ち上げたり、新製品を出したとたんに、後発の会社も同じことを始めたらどうなるでしょうか。いきなり激しい競争がはじまります。価格がくずれたり、価格がくずれなくとも、販売競争で大きな出費をよぎなくされます。
下手をすると、市場を分け合って、投資した開発費や広告費などの販売費の回収も厳しくなってきます。新製品や新規事業でなくとも、現在の商品や事業に、新しい競争相手が登場し、競争が激しくなる危険性はつねにあります。最悪の場合、一挙に、市場や顧客を奪われかねません。
したがって、他の会社が、類似した事業をはじめたり、類似した商品をだすこと、また現在の市場や顧客との取引関係に参加することを躊躇させたり、なんらかのハードルをつくることが重要になってきます。それが『参入障壁』です。
では、どんなハードルがあるしょうか。まずは法的な規制です。「特許」が典型的です。その他にも、なんらかの許認可などの規制で守られるというのもあります。さらに「力ずく」ともいえるハードルもあります。いまさら投資して参入しても採算がとれないとか、圧倒的なブランド力で市場を押さえているとか、販売網を囲い込んでいる、極めてシェアの高い製品と関連させた仕様で商品化していくといったハードルです。「特許」は別にして、こういった大きな会社や事業にしかつくりだせない『参入障壁』の話は、いくらでも書いてある本がありますので、そちらに譲りましょう。
それより、小さな会社や小さな事業でもつくりだせる『参入障壁』のヒントはないものでしょうか。いくつかを考えてみました。
下手をすると、市場を分け合って、投資した開発費や広告費などの販売費の回収も厳しくなってきます。新製品や新規事業でなくとも、現在の商品や事業に、新しい競争相手が登場し、競争が激しくなる危険性はつねにあります。最悪の場合、一挙に、市場や顧客を奪われかねません。
したがって、他の会社が、類似した事業をはじめたり、類似した商品をだすこと、また現在の市場や顧客との取引関係に参加することを躊躇させたり、なんらかのハードルをつくることが重要になってきます。それが『参入障壁』です。
では、どんなハードルがあるしょうか。まずは法的な規制です。「特許」が典型的です。その他にも、なんらかの許認可などの規制で守られるというのもあります。さらに「力ずく」ともいえるハードルもあります。いまさら投資して参入しても採算がとれないとか、圧倒的なブランド力で市場を押さえているとか、販売網を囲い込んでいる、極めてシェアの高い製品と関連させた仕様で商品化していくといったハードルです。「特許」は別にして、こういった大きな会社や事業にしかつくりだせない『参入障壁』の話は、いくらでも書いてある本がありますので、そちらに譲りましょう。
それより、小さな会社や小さな事業でもつくりだせる『参入障壁』のヒントはないものでしょうか。いくつかを考えてみました。
まずは『京都の老舗の料亭モデル』です。原料を押さえるという方法です。京都の老舗の料亭は、農家と契約して、特別に品質の高い野菜をつくってもらっています。他の店がほしいと思っても、同じ野菜は入手できません。
飲食や食品業界などでは、このモデルで『参入障壁』をつくっているケースが多いですね。原材料メーカーさんや生産農家などとの共同開発で独占権をおさえてしまうという方法はよくあります。原材料の生産者の人と、そういった関係をつくるためには、人間的な『信頼関係』、しかも長期的な『裸のつきあい』がなにより重要になってきますから、担当者が変われば、なにもかも変わってしまう大企業よりは、小さな会社のほうが有利かも知れません。
知り合いで、いろいろお世話になっているスーパーの社長さんは、「良い食品を毎日の食卓に届ける」という理念を貫いていらっしゃって、社長自らが、多くの産地の人たちとの共同開発を進めていらっさいます。普通のバイヤーではできないことかもしれません。
次は、『ラーメン屋さんモデル』です。ラーメン屋さんは、スープの作り方を、従業員にも秘密にしているところが多いですね。材料の配合や製法をブラックボックス化するという方法です。ブラックボックス化というのは、どうやって造るのかを人に教えたり見せたりしないことをいいます。今、デジタル家電メーカーが、韓国や中国に技術が移転していかないように、工場のブラックボックス化を始めました。言ってみれば、ハイテク分野のラーメン屋さんモデルです。コカ・コーラも最初はそうやって成長してきました。レシピは、トップが金庫の中にしまいこんで誰も見ることができませんでした。
『スピード・モデル』もあります。小さな会社が得意とするところです。開発の速度や納期、またサービス対応の早さで圧倒するという方法です。お客さまにとって、そんなスピードが基準になってしまえば、いちいち稟議書を回さないといけない大企業は参入できません。台湾の部品メーカーが、この方法で成功した典型例です。
『強みを弱みに変える』モデルもあります。想定される競争相手の「強み」を逆に利用して隙をつくということです。たとえば、競争相手が店頭販売で圧倒的に強ければ、通信販売など、競争相手が、現在の取引先に遠慮して手を出しずらいところを攻めるという方法です。競争相手が、通信販売を始めても中途半端になる可能性が高いですね。
『小さな池の大きな鯉』モデルもあります。あえて、大企業が参入したくなるような大きな市場を狙わず、特殊な小さな分野に資源を集中して、高いシェアをとってしまう方法です。靴下だけで、圧倒的な品揃えをつくって成功した会社もあります。この方法で成功している部品メーカーさんや専門小売店は案外たくさんあります。
きわめつけは、やはり『顧客満足』モデルです。ちいさな会社や事業は、それこそOne to One のマーケティングやサービスができます。お客さまひとりひとりの満足を追求するということです。それでお客さまとのつきあいが長期間継続すれば、お客さま側に、マーケティングでいう「スイッチング・コスト」が発生します。つまり、別の会社に切り替えると、なんらかの不都合が生まれたり失敗する危険性や心配がでてきます。よほどのことがなければ、取引を切り替える動機が生まれてこないということです。とはいえ、これが一番基本であるとともに一番難しいことかもしれません。
いずれにしても、小さな会社や小さな事業がつくれる『参入障壁』は、戦略や知恵、リーダーの理念や情熱、またチームのモチベーションの高さ、深い信頼に基づいた人のネットワークによるところが多いと思います。まだまだ、こんな『参入障壁』もあるよというヒントがあればぜひ教えてください。
↓おひとり、おひとつのクリックが私の元気の素になっています。
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ありがとうございます。(^_^.)
飲食や食品業界などでは、このモデルで『参入障壁』をつくっているケースが多いですね。原材料メーカーさんや生産農家などとの共同開発で独占権をおさえてしまうという方法はよくあります。原材料の生産者の人と、そういった関係をつくるためには、人間的な『信頼関係』、しかも長期的な『裸のつきあい』がなにより重要になってきますから、担当者が変われば、なにもかも変わってしまう大企業よりは、小さな会社のほうが有利かも知れません。
知り合いで、いろいろお世話になっているスーパーの社長さんは、「良い食品を毎日の食卓に届ける」という理念を貫いていらっしゃって、社長自らが、多くの産地の人たちとの共同開発を進めていらっさいます。普通のバイヤーではできないことかもしれません。
次は、『ラーメン屋さんモデル』です。ラーメン屋さんは、スープの作り方を、従業員にも秘密にしているところが多いですね。材料の配合や製法をブラックボックス化するという方法です。ブラックボックス化というのは、どうやって造るのかを人に教えたり見せたりしないことをいいます。今、デジタル家電メーカーが、韓国や中国に技術が移転していかないように、工場のブラックボックス化を始めました。言ってみれば、ハイテク分野のラーメン屋さんモデルです。コカ・コーラも最初はそうやって成長してきました。レシピは、トップが金庫の中にしまいこんで誰も見ることができませんでした。
『スピード・モデル』もあります。小さな会社が得意とするところです。開発の速度や納期、またサービス対応の早さで圧倒するという方法です。お客さまにとって、そんなスピードが基準になってしまえば、いちいち稟議書を回さないといけない大企業は参入できません。台湾の部品メーカーが、この方法で成功した典型例です。
『強みを弱みに変える』モデルもあります。想定される競争相手の「強み」を逆に利用して隙をつくということです。たとえば、競争相手が店頭販売で圧倒的に強ければ、通信販売など、競争相手が、現在の取引先に遠慮して手を出しずらいところを攻めるという方法です。競争相手が、通信販売を始めても中途半端になる可能性が高いですね。
『小さな池の大きな鯉』モデルもあります。あえて、大企業が参入したくなるような大きな市場を狙わず、特殊な小さな分野に資源を集中して、高いシェアをとってしまう方法です。靴下だけで、圧倒的な品揃えをつくって成功した会社もあります。この方法で成功している部品メーカーさんや専門小売店は案外たくさんあります。
きわめつけは、やはり『顧客満足』モデルです。ちいさな会社や事業は、それこそOne to One のマーケティングやサービスができます。お客さまひとりひとりの満足を追求するということです。それでお客さまとのつきあいが長期間継続すれば、お客さま側に、マーケティングでいう「スイッチング・コスト」が発生します。つまり、別の会社に切り替えると、なんらかの不都合が生まれたり失敗する危険性や心配がでてきます。よほどのことがなければ、取引を切り替える動機が生まれてこないということです。とはいえ、これが一番基本であるとともに一番難しいことかもしれません。
いずれにしても、小さな会社や小さな事業がつくれる『参入障壁』は、戦略や知恵、リーダーの理念や情熱、またチームのモチベーションの高さ、深い信頼に基づいた人のネットワークによるところが多いと思います。まだまだ、こんな『参入障壁』もあるよというヒントがあればぜひ教えてください。
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1. 参入障壁 [ 西麻布でBarを経営するオーナー日記 ] 2006年11月09日 09:29
今日は友人兼飲み仲間のT君のご紹介で、商業施設のプロデュースをしているKさんという方とランチをご一緒しました。
?
Kさんは、ユニークでエッジの効いた不動産デベロップメントをすることで有名なT社で商業施設を再生するプロジェクトを担当されている方です。目...
この記事へのコメント
9. Posted by 角田豊 2004年08月14日 04:04
ビジネスの本質的な話。
深い・・・
孫子の兵法
地の利を得る
に通じます。
良い気づきになりました。
深い・・・
孫子の兵法
地の利を得る
に通じます。
良い気づきになりました。
8. Posted by 割り込みすみませんが 2004年07月31日 13:46
慶応に幼稚園は存在しません。
幼稚舎というのは旧名で現在は小学校のことです。
幼稚舎というのは旧名で現在は小学校のことです。
7. Posted by 鈴木弥奈子 2004年06月23日 22:44
漠然としてて(いつも)申し訳ないです。「参入障害」と言う言葉をもっと変換して
考えるといいかも?と思って「欠けている」と言う言葉が出て来ました。語りべさんの
お陰かな。 ?顧客満足モデルと?スピードモデルと?小さな池の大きな鯉の複合型
のスタイルってどうですか??歯ってひとりひとりまったくちがうでしょ?(身元確認
出来るくらい)なのに私にぴったりの歯ブラシがなくって。?単価が安いから、色んな
歯ブラシを毎月買って、今は子供歯ブラシ(私、43歳)。でも、しっくりこないの。
?予防医学の見知からして、かかりつけの歯科医で私のための歯ブラシをオーダー出来
ないかしら?
食べる事って、とっても大事です。最近強く感じてます。介護職に就いてから、クライアントの多くは「食べる」をとっても楽しみにしています。だけど、義歯や歯茎の病気の方が多いのもたしか。しかも自分で思う要に口腔内をきれいに出いない方も多いし、それを補う介護用品も手作り的で地味〜なせこ〜い感じがします。
「参入」を恐れず、???の例でも別にいいんじゃないでしょうか?
6. Posted by 大西 宏 2004年06月23日 16:52
いやはや、出口に気がつかないって駄目でした。鈴木さんのおっしゃるように、慶応幼稚舎とか、そういった学校の試験ってあまり好きになれないですね。それなら、どう『しつけられているか』をテストするほうがいいかもしれない。
鈴木さん、「欠けていること」を見つけだす・・・なるほどです。奥深いですね。
鈴木さん、「欠けていること」を見つけだす・・・なるほどです。奥深いですね。
5. Posted by 鈴木弥奈子 2004年06月23日 14:29
語りべさんへ、慶応幼稚園でなくても母たちはみんなその問題は存じてましてよ。
それよりも、「バス」に乗れるか?とか、「バス内でのお行儀」のほうが欠けてるわけで
「欠けてる事」を見つけだす。そういった、論点がこれからの「参入障害」にとっては
扉が開けるんではないかしら。「隙間産業」で成功した小さい企業も今後は「常識にとらわれない」ではなく「常識から欠けている点」の発掘作業に着目したら、既存の商品にも
幅や奥行きが出そうに思います。
4. Posted by 語りべ 2004年06月23日 13:29
コメントありがとうございます。
正解です。
回答に基づく理由はこう書かれてました。
「乗降口が見えないということは、向こう側にあるからで、
乗降口が向こう側にあるということは、バスの進行方向は右です」
幼稚園児にこの問題と回答。
恐るべし、慶応幼稚園と慶応幼稚園の園児予備軍!
正解です。
回答に基づく理由はこう書かれてました。
「乗降口が見えないということは、向こう側にあるからで、
乗降口が向こう側にあるということは、バスの進行方向は右です」
幼稚園児にこの問題と回答。
恐るべし、慶応幼稚園と慶応幼稚園の園児予備軍!
3. Posted by 語りべ 2004年06月23日 10:55
すみません、勝手にリンク貼らせていただきました。
また訪問させて貰いますので、
新しい記事、楽しみにしています。
また訪問させて貰いますので、
新しい記事、楽しみにしています。
2. Posted by 大西 宏 2004年06月23日 10:49
「語りべ」さん、おはようございます。
ひょとして『けたぐり』モデルでしょうか?足下を崩して、ぐらついたところを引き寄せ倒すなんてイメージがしますね。
成功したらぜひ教えてください。
ひょとして『けたぐり』モデルでしょうか?足下を崩して、ぐらついたところを引き寄せ倒すなんてイメージがしますね。
成功したらぜひ教えてください。
1. Posted by 語りべ 2004年06月23日 09:49
大変興味深く読ませていただきました。
僕らが生きてる広告業界も「アタマ打ち」が叫ばれ始めて長いのですが、
それならということで、当方ではイロイロな企画の立案を続けております。
その中でやはり問題になってくるのが、いかに「参入障壁」をつくるかという問題。
なんせ小さな会社ですから、『顧客満足』モデルと『強みを弱みに変える』モデルを
中心に、日々思案しております。
特に『強みを弱みに変える』モデルは、新たなアイデアを出すにはてっとり早くてイイですよね。
今取り組んでいるのは、「現存の看板業界を覆す」企画商品や
「現存のフリーペーパー業界を覆す」新たな新媒体の企画なんかです。
また、面白い話題を楽しみにしています。
僕らが生きてる広告業界も「アタマ打ち」が叫ばれ始めて長いのですが、
それならということで、当方ではイロイロな企画の立案を続けております。
その中でやはり問題になってくるのが、いかに「参入障壁」をつくるかという問題。
なんせ小さな会社ですから、『顧客満足』モデルと『強みを弱みに変える』モデルを
中心に、日々思案しております。
特に『強みを弱みに変える』モデルは、新たなアイデアを出すにはてっとり早くてイイですよね。
今取り組んでいるのは、「現存の看板業界を覆す」企画商品や
「現存のフリーペーパー業界を覆す」新たな新媒体の企画なんかです。
また、面白い話題を楽しみにしています。



