テレビ業界はじわじわと押し寄せる時代変化の脅威にさらされてきています。地上波デジタル放送でどれだけ変革できるかということがありますが、ハードディスクレコーダーとインターネットによる脅威がじわじわと現実問題になろうとしてきています。
まず、ハードディスクレコーダーですが、野村総研が発表した調査によると、「テレビCMをすべてスキップする人は23.4%で、過半数が80%以上スキップ」しているという実態が浮き彫りになりました。
同社は、録画した番組を見る率と、このスキップ率で試算し、「2005年はテレビCM市場の約2.6%、金額にして約540億円の価値が失われる」としています。ハードディスクレコーダーの普及の勢いはいまだに止まらず、また大容量化が進んできており、この傾向は拡大することはあっても逆戻りできない状態です。
CMの価値が希薄になってきているというのは、このスキップだけではありません。インターネットとの競合という問題がもっとクローズアップされてくるものと思います。グラフは、野村総研のこの調査の「この一年のメディア接触時間の増減」ですが、インターネットの勢いのすごさを感じます。重要なのは人びとの時間を、どのメディアが占めるていくのかという問題です。
まず、ハードディスクレコーダーですが、野村総研が発表した調査によると、「テレビCMをすべてスキップする人は23.4%で、過半数が80%以上スキップ」しているという実態が浮き彫りになりました。
同社は、録画した番組を見る率と、このスキップ率で試算し、「2005年はテレビCM市場の約2.6%、金額にして約540億円の価値が失われる」としています。ハードディスクレコーダーの普及の勢いはいまだに止まらず、また大容量化が進んできており、この傾向は拡大することはあっても逆戻りできない状態です。
※野村総研発表資料より作成。N=3000、数字は%
CMの価値が希薄になってきているというのは、このスキップだけではありません。インターネットとの競合という問題がもっとクローズアップされてくるものと思います。グラフは、野村総研のこの調査の「この一年のメディア接触時間の増減」ですが、インターネットの勢いのすごさを感じます。重要なのは人びとの時間を、どのメディアが占めるていくのかという問題です。
人は身体が二つありませんから、インターネットに接触しているときはテレビを見ません。いやテレビだけに限りません。メディアに接触する時間には限りがありますから、競合関係が始まります。調査がネット調査ということを割り引いても、インターネット(PC)の利用時間が増えた人が64%というのは他のメディアにとっては脅威となる数字です。その影響でしょうが、テレビも、雑誌も、、ラジオも、30%を超える人が接触時間が減ったとしています。ちなみに、もっとすごいのはビデオゲームで、なんと50%です。
きっと広告費の相場を決めている視聴率も怪しくなってきます。ハードディスクレコーダーのCMスキップだけでなく、テレビをつけているから、テレビを見ているとは限らなくなってくるのではないでしょうか。音だけ聞いていてブログを読んでいるということも十分考えられます。
そうなると、テレビをつけているからテレビを見ているということが前提となって視聴率が割り出され、それが番組提供やスポット料金の相場の目安になっているのですが、CMスキップ問題だけでなく、その前提が怪しくなってくるということです。まだまだテレビCMが広告の中心にいるのが現状ですが、そんな構造も次第に揺らいでくるものと思います。
またテレビそのものにも悪循環の起こってくるでしょう。おそらく、インターネット常時接続環境にいる利用者とそうでない人がテレビに接触する時間も、番組に期待するものが違ってくるものと思います。インターネットでメディア接触時間のほとんどを割くという人にとっては、よほど見る価値のある番組しか見なくなります。こういった人を取り込むのは決して簡単ではありません。そうなると、視聴率を稼ぐには、インターネットを利用しない人に受ける番組づくりに傾斜していくでしょう。いや、もうこの傾向は始まっていると思います。そして、ますますインターネット利用者は限られた番組しかテレビを見なくなっていきます。
テレビは勝手に勝手に目に飛び込んでくるメディア、つまり受動的な(パッシブ)メディアであり、インターネットは画面に向かって自らクリックしていく能動的な(アクティブ)メディアだからお互い違う、競合も融合もないという人がいます。特にテレビに良く出るコメンテーターの人が局に嫌われたくないからそう主張するのはしかたないとしても、頭の中で理屈で考えるからそうなるので、メディア接触時間と言うことで競合がすでに始まっていると考えた方がいいでしょう。
また融合問題で、著作権問題が複雑に絡んでインターネットでは番組が流せないという主張をしている人もいますがそれも嘘です。もちろん過去に制作した番組を流すのは困難なものがほとんどでしょうが、これから制作する番組なら、契約のしかた、また制作の仕方によっていくらでも流せるものがつくれるというのが事実です。やる気がないことの口実にしているに過ぎません。極端に言えば、インターネットで流すことを前提として制作して、ついでにテレビでも流すと考えれば、ほとんどの問題はクリアできます。NHKエンタープライズの協力でYahooが独自に制作したドキュメンタリー「ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け」をご覧になれば参考になると思います。
さあ、テレビとか既存のメディアの足下が揺らいでくるのはこれからです。そこにどんなビジネスのドラマが生まれてくるのでしょうか。
「大西宏のマーケティング・エッセンス」は
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きっと広告費の相場を決めている視聴率も怪しくなってきます。ハードディスクレコーダーのCMスキップだけでなく、テレビをつけているから、テレビを見ているとは限らなくなってくるのではないでしょうか。音だけ聞いていてブログを読んでいるということも十分考えられます。
そうなると、テレビをつけているからテレビを見ているということが前提となって視聴率が割り出され、それが番組提供やスポット料金の相場の目安になっているのですが、CMスキップ問題だけでなく、その前提が怪しくなってくるということです。まだまだテレビCMが広告の中心にいるのが現状ですが、そんな構造も次第に揺らいでくるものと思います。
またテレビそのものにも悪循環の起こってくるでしょう。おそらく、インターネット常時接続環境にいる利用者とそうでない人がテレビに接触する時間も、番組に期待するものが違ってくるものと思います。インターネットでメディア接触時間のほとんどを割くという人にとっては、よほど見る価値のある番組しか見なくなります。こういった人を取り込むのは決して簡単ではありません。そうなると、視聴率を稼ぐには、インターネットを利用しない人に受ける番組づくりに傾斜していくでしょう。いや、もうこの傾向は始まっていると思います。そして、ますますインターネット利用者は限られた番組しかテレビを見なくなっていきます。
テレビは勝手に勝手に目に飛び込んでくるメディア、つまり受動的な(パッシブ)メディアであり、インターネットは画面に向かって自らクリックしていく能動的な(アクティブ)メディアだからお互い違う、競合も融合もないという人がいます。特にテレビに良く出るコメンテーターの人が局に嫌われたくないからそう主張するのはしかたないとしても、頭の中で理屈で考えるからそうなるので、メディア接触時間と言うことで競合がすでに始まっていると考えた方がいいでしょう。
また融合問題で、著作権問題が複雑に絡んでインターネットでは番組が流せないという主張をしている人もいますがそれも嘘です。もちろん過去に制作した番組を流すのは困難なものがほとんどでしょうが、これから制作する番組なら、契約のしかた、また制作の仕方によっていくらでも流せるものがつくれるというのが事実です。やる気がないことの口実にしているに過ぎません。極端に言えば、インターネットで流すことを前提として制作して、ついでにテレビでも流すと考えれば、ほとんどの問題はクリアできます。NHKエンタープライズの協力でYahooが独自に制作したドキュメンタリー「ニッポンの挑戦 インターネットの夜明け」をご覧になれば参考になると思います。
さあ、テレビとか既存のメディアの足下が揺らいでくるのはこれからです。そこにどんなビジネスのドラマが生まれてくるのでしょうか。
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視聴者からは
どうしても「本編」のオマケ(つなぎ)的な
感覚を持たれてしまうので・・・
難しいんでしょうねぇ。
昨今はそうとう面白くなってきているのですが
「CG」が使われまくってると
興ざめしてしまうのも事実です。
昔の様に「リアル」な映像じゃないから
(ラーメンの湯気など)
感情移入してもらえないんでしょうね。
僕は「チラシ」「ポスティング」の世界に生きる者ですが、こちらでも「一方的な売りチラシ」は
反響を下げています。
求められる「努力」をすると
何かが生まれるのかもしれませんね。