団塊の世代を肴にした話がこのところ増えてきています。さまざまな業界がこの世代に向けた事業にも触手を伸ばそうとしています。当事者としては注目していただくのは光栄としても、身に覚えのない話や、いったいそれはどの世代の話なのかという類の話も多いのが団塊論の特徴です。なぜいきなり団塊の話しかというと、昨日、団塊の世代についての取材を受けたので、その勢いに乗っての投稿になりました


団塊が電車を降りる日―トランジットライフマーケティング白書

ちょっとそれはあまりに違いすぎる、きっと何か意図があるのじゃないかと感じるのは、ベトナム反戦運動や全共闘運動をやっていた連中が、卒業したとたんにブランド企業に就職したなんてことを平気で書いている人がいますが事実とは違います。何万人規模や十万人を超える規模のデモがしょちゅうあった時代です。つまり、普通の学生もデモに参加していたわけで、そういう人たちが普通の会社に就職してもおかしくはありません。
そんな人たちは「学生運動をやっていた」という認識はないでしょう。実際に先頭にたって「学生運動」をやっていた人たちが、まともに就職できるわけがありません。日本の公安警察や身元調査会社をなめてはいけないです。きちんと調査しない、あるいは学生運動の前科があっても働き手が欲しいというマイナーな業種や会社に就職するしかなかったのが本当のところです。しかし、当時はマイナーであった業種や会社でも、その後、どんどん成長していき、やがてメジャーになったというところは数多くありますね。
そもそも、全共闘運動は聞いたことがあっても、その前にベトナム反戦運動が燃えさかっていたことについは知らない人がほとんどかもしれません。これは日本だけでなく全世界の若者が立ち上がっていました。ベトナム反戦で高まったエネルギーがやがて目標を失って全共闘運動に流れていったというのが本当のところじゃなかったかと思います。団塊は、戦争に対して若者が異議を唱え、抗議のデモが広がるという世界的には普通のことを起こした最後の世代でした。その後の政治では盛り上がらないという日本の若い世代のほうが世界的に見れば特殊かもしれません。
家庭を顧みない企業戦士?ということがよく書かれていますが、とんでもないですね。団塊の特徴はフォークソング世代です。ギターを弾ける、あるいは触ったことがある人がほんとうに多い世代です。
 二人で行った 横丁の風呂屋
 「一緒に出ようね」って 言ったのに
 いつも私が 待たされた
 洗い髪が芯まで冷えて
 小さな石鹸 カタカタ鳴った
この「神田川」を創った南こうせつさんも昭和24年生まれの団塊です。
銭湯に通っていたふたりが結婚して、家庭をつくり、仲良くバギーを押しながら、当時のスーパーやショッピングセンターに買い物に行く姿を当時の世間が、家庭第一主義の世代がやってきた、ニューファミリーだと半分は揶揄されながら注目されたのもこの世代です。
それに、団塊は戦後の民主主義教育をたたき込まれ刷り込まれています。それがなにかというと徹底した男女平等主義です。今でも覚えていますが、女の子と喧嘩して「女のくせに」と言ったとたんに、たちまち先生にいいつけられ、とことん絞られました。女性が家庭で財布も実権も握った最初の世代が団塊です。男がおむつを変えることに何の抵抗もない世代でもありました。今は女性がもっと強くなって「鬼嫁」ですか。いろいろ言い出せば際限がないので、まあ今日はこれぐらいにしておきましょう。またいずれかの機会でさまざまな特徴をご紹介しましょう。
ところで、やはりこれからの金儲けのネタとして注目されているだけに、団塊をテーマにした出版も増えてきています。最近読んだものでは、三田誠広さんの『団塊老人』がありますが面白かったですね。三田誠広さんは、高校の一年後輩でやはり団塊の世代です。そのなかで、三田誠広さんは、団塊の世代の特徴を〃欧譴燭る⇒屈っぽい5属意識が強いという三点を挙げていて、それがいろいろなところで引用され、一人歩きをしはじめているのですが、ちょっと違うような気がします。

きっとそれよりは、もっと「軽い世代」というところに特徴があるのかもしれません。糸井重里さんは、時代の空気を語るのが上手だと思いますが、糸井さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」でその雰囲気を味わって下さい。なにせ人数が多い世代です。いろいろな人種がいてもおかしくはありません。ステロタイプに決めつけると、この世代に向けたマーケティングは失敗するのじゃないでしょうか。

最近出版された『団塊が電車を降りる日』(辻中俊樹著)という本も目を通しました。こちのらほうは、結構データに基づいて展開されており、いくつかの誤解はこの本でも解けるのではないでしょうか。



団塊老人

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