ある時テレビを見ていて気が付いたのですが、イチローが活躍するシアトル・マリナーズの球場では電光掲示板に日本語が流れていました。日本からイチローを見に来るファンが多いからでしょうか、シアトル・マリナーズのオーナーが任天堂だからでしょうか。
92年に経営危機に陥っていたマリナーズを任天堂の山内溥会長が個人で買いとったというニュースは当時は衝撃的でした。野球といえばアメリカの国技です。そのアメリカで日本人がオーナーになったのです。権威よりは、球団を維持し、子供達の夢を絶やさないということを選択した結果でした。
もともと国技でもないくせに、外資の参入を制限してみたり、子供達に夢を感じさせ、面白くすることよりも、権威にしがみついて危機を迎えた日本のプロ野球界との体質の違いが際だった出来事だったともいえます。
その山内さんが55年間努められた取締役を退任されることになりました。退職慰労金も「会社のために使って欲しい」というご希望で辞退され、さすがに「遊びの世界」を提供し、広げてこられた経営者の粋さ、さわやかさが感じられます。
山内さんは、京都のトランプと花札メーカーの家業を22才の若さで継いで、その後、ファミコンの大ヒットでテレビゲーム市場をつくり、世界のNINTENDOに会社を育ててこられたので、経営者としては類い希な才覚をお持ちだったと思いますが、しょせんはゲームという浮き沈みの激しいビジネスであることを常に意識され、ブームが去っても会社がやっていける規模にしかしないという手堅い経営の考えかたををなさっていたようです。
ソニーがテレビゲームの市場にプレイステーションで参入してくるという際にも、なぜ成熟してきたゲーム市場を大メーカーさんがおやりになるのかわからないけれど、苦労覚悟でどんどんやってくださいという発言をされていました。
その予測通り、ゲームソフトの市場は、ゲームの高度化で投資規模が拡大し開発リスクが高まる一方で市場規模は右肩下がりという厳しい状況をを迎えるようになりました。
昨年、ソニーが遊びから世界を広げるPSPを発売したのとは対照的に、遊びの世界を広げるDSの展開をはじめたことは、任天堂らしさを感じますが、基軸から離れないという山内さんの経営観が引き継がれているような気がしてなりません。
こういった個性のある会社を育ててこられたことには頭が下がりますし、こころから「お疲れさま」というメッセージをお送りさせていただきたいと思います。

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