2005年08月

郵貯・簡保の340兆円はいずこに

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郵貯・簡保のお金を「官から民へ」というのは、なるほどと思わせますが、ほんとうに額面通りに受け取っていいものかとまどいを感じます。言っておきますが、経済の専門家ではないので、素人の懸念として読んで下さい。
商 品やサービスと同じでお金もニーズがないと、いくらお金を供給しようとしても借り手がありません。つまり需要が伸びてこず、貸出先もないままにどこかに眠 るしかなくなります。実際、日銀はゼロ金利の超金融緩和政策をとってきましたが、それでも資金需要が思うように伸びず、また経済活性化の効果が目に見えて はでてこず、しかもデフレに歯止めがかかりませんでした。だから金融緩和だけでなく、さらにお金をどんどん発行してお金の供給を増やそうとしてきました が、こっちもお金に対するニーズがなく、流そうとしているノルマが達成できていません。じゃぶじゃぶ流そうにも流れない。それが日本の経済の現状です。
なにか大きく儲かる事業の見通しがあれば、お金を借りて投資しようとしますが、これだけ低成長の時代、しかもデフレ圧力が強い時代にそうそう儲かるビジネスが潤沢にあるわけではありません。
じゃあ、どこに郵貯・簡保の資金を流すのよと疑問を感じるほうが自然ではないでしょうか。とんでもない巨額の資金です。起業家精神で新しい市場を見つけるんだなどという規模ではありません。
需 要があり、郵政民営化でうたっている安全な運用となると、現在と同じく、国債、また財投機関債などになりますが、まあ、これまでとちがってたんなる運用先 の選択肢のひとつにすぎなくなり、とくに国債は利回りも低いので国債一辺倒というわけにはいきません。どちらかというと利率の良い財投機関債のほうに流れ ていくと考えるのが自然です。政府保証がないと言っても、暗黙の了解事項ですから安全性も高いとされ、「官から民へ」ではなく「官から民をめざす官へ」と いう流れがまず考えられます。

民間企業に貸し出すといっても、そうそう需要があるわけではありません。それに融資先を見つける能力もないでしょうし、「安全な融資」といったとたんにさらに融資先は限られてしまいます。
地 方の企業に流れると良いと言う人がいますが、地銀、信用金庫を押しのけて流したところで、郵貯・簡保の規模を考えるとマーケットのボリュームが小さすぎま す。しかもそれだけきめの細かい融資をしていくには大量の人員を抱えることとなり選択肢としてはいまひとつですね。経営メリットが感じられません。
そこで質問です。あなたがありあまるお金、ダントツの世界一の資金量をもっている人で、人のお金を借りて運用して生計を立てている人だとします。下手をすると利息の逆ざや現象になって危ない。なんとしても資金運用で収益をあげないといけないとするとどうしますか。

普 通の銀行では考えられないほどの巨額な資金です。大口の需要先が必要です。だから、まずは、確実に資金需要のあることろに流していきます。では、安全で、 確実に大口の資金需要のあるのはどこかというと、成長率のいいところでしょうが、中国は成長性は抜群でも安全性でどうかということになり、アメリカの企 業、アメリカの金融市場での運用になってきませんか。まずは、かなりの額の資金が利回りを求めて国外に流れていきます。そう考えても不自然ではありませ ん。
ハゲタカファンドにごっそりむしり取られという主張はあまり好きではありませんし、そうではないと思いますが、「官から民へ」ではなく、「日本からアメリカへ」にYucho Moneyはブランドとなって流れていくのじゃないでしょうか。Yucho Moneyを巡って、アメリカの金融市場でさまざまな動きが生まれ、アメリカの金融界は活性化するでしょう。決してそれが悪いこととは思いませんが、アメリカは大歓迎であり、それで郵貯・簡保を支えることができたとしても、日本の経済の活性化とは関係ありません。
米国債を世界でもっとも多く持っているのは日本であり、さらに郵貯・簡保の資金がアメリカの金融市場に流れていくというのは気持ち悪さを感じませんか。相手は借金をいくらでもちゃらにも、塩漬けにもする切り札を持っているのですからね。

じゃあ、国内はどうなのかということですが、国内に流すとなると、これは需要をつくるしかありません。どこでつくるのか。それは「利回り」が価値観の中心にあるホリエモンが選挙にでてあれだけ熱心だからわかりますね。
株 とか債権市場でしょう。ある意味で、うまくいけばこれは経済を活性化するかも知れません。資産デフレ状態ですから、どっと株式市場、債権市場にとんでもな い大量の資金が流れてくると、株価もさらにきっと地価もどんどんあがってくるのじゃないでしょうか。資産デフレを解消して大歓迎かもしれませんが、やがて それがバブルになりかねません。どこで歯止めをかけることができるでしょうか。実態の経済の構造が変わらないのに株価だけが上がっていくのはちょっとぞっ とします。それに株価で水ぶくれした企業が、企業を買収して株価をさらにつり上げていくというマネーゲームにさらに火がつくかもしれません。

他に大きな資金需要がありそうなところといえば、アメリカの国債ぐらいでしょうか。あるいは少しはリスクを負っても中国市場に流すかですね。しかしそれはないでしょう。ちょっと他は思いつきません。専門家の木村剛さんならアイデアがあるかもしれませんが、どうでしょう。
資金を「官から民へ」というのは心地よい言葉ですが、もし本当にそうできる確実な需要先があるよというアイデアがあればぜひ教えてください。
政 治の世界がよくわからないのは、郵貯や簡保のような日本の経済や社会、いや世界の経済にもに大きな影響を与える巨額の資金が、「官から民へ」という理念や キャッチフレーズで決まっていくということです。もちろん、こまかな話は民営化した会社が決めるにしても、ある程度の、運用のシナリオを描き、見通しを もったプランでないと普通の会社なら稟議は通らないですね。今回の選挙は、よくわからないままに、競馬かなにかの賭ごとにまきこまれてしまった気分です が、そう感じるのはおかしいのでしょうか。

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民主から自民への流れ

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「日経ビジネス」2005.8.29の時流超流で、読者1万3000人を対象としたインターネット調査結果が発表されていました。「日経ビジネス」の読者が対象という視点から見る必要がありますが、2004年の参院選では「民主党」に投票した人たちも、今回の選挙では「自民党」に支持が一転していることがよくわかります。昨日書いた現象でしょう。
それはそうと「現在の政党は、政策内容によって分かれていると思いますか」の質問に8割近くの人が、そうは思わないという回答であり、そのネジレが道路問題でも政策をおかしくしてしまっていると感じているひとが多いので、小泉さんの「お掃除選挙」が支持されたのでしょう。
傷みをともなう政策で、一番受け入れられる傷みのトップが高速道路の新規工事ストップで64%というのも読者層を考えれば当然の結果ですが、本来なら自民党と民主党の構造改革派がくっついたら、道路民営化だってもっとすっきりしたカタチになっていたでしょうにね。

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郵政民営化という印籠

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小泉自民党の勢いはブログの世界を見ていても分かります。構造改革と地方利権との決別をこれだけ演出したわけですから、これまで民主党に流れてきた都市の浮動層を今回はすっかり取り込んできているようです。昨年10月に書いた「『郵政民営化』の巧みな戦略」で想定した通りの、いや今回の反対派の切り捨てでそれ以上の成果となりつつあるようです。
小泉さんは、選挙のターゲットを地方から都市へと切り替えたのです。このことは、財政難から次第に地方に対するインセンティブが出せなくなり、地方の地盤がもたず、地方でも、地方の都市部を中心に自民党離れが起きてきたことを考えれば、支持基盤の再構築という戦略は理にかなったなかなかなものです。
自民党の各候補の人たちがかつて経験したことのないフォローの風を感じているのは当然でしょう。民主党は岡田さんが、この戦略転換を気づかずに「民営化反対派」のレッテルを貼られた時から敗色は濃厚となったということだと思います。うまく利用されました。真面目そうだけど勝負には弱いということでしょう。しかも、自公は民営化で一枚岩、民主党はバラバラというイメージまでできてしまったのですから小泉さんとしては大成功です。後は、アルカイダによるテロさえ起こらなければ自民党の大勝かもしれませんが、一方に勝たせすぎてはいけないという国民のバランス感覚と郵政反対派で無所属となったひとたちがどこまで頑張れるかでしょうね。

郵政選挙だといいますが、郵政民営化にはついこのあいだまで国民に関心がほとんどありませんでした。実際には、かなり重要な問題ではあったとしても、国民生活とは直接的には関係のない、分かりづらい財務省的なオタッキーな問題でもあったにもかかわらず、「官から民へ」というキャッチフレーズが、経済の閉塞感、財政赤字、年金の先ゆきの不透明感といった将来に対する不安があるなかで、つぎつぎと発覚した社会保険庁や道路公団をはじめとした官の腐敗で沸き上がってきたマグマのような国民の怒りと結びついたのです。
金儲けのために悪事を重ねる悪徳代官とあこぎな商人に水戸黄門が印籠をかざし、これが見えぬのかとやったときに人びとは心地よさを感じます。綿貫さんは、水戸黄門よろしく印籠をかざしましたが、おそろしいほどの勘違いでした。実は郵政民営化こそが水戸黄門の印籠だったのです。
郵政民営化には賛成でも、法案には疑問という人も実際には少なくありません。しかし、法案の中味を吟味しないで熱烈に小泉さんいエールを送っている人も結構多いようです。小泉さんの印籠作戦の勝利ですね。
政治家はそれぐらいの計算や、喧嘩ができないといけないと思いますが、ちょっと竹中さんの「この民営化案は、しっかりとした枠組みだから問題がない」と言い切る姿勢は気になります。官僚が描いた帳尻合わせを「100年安心の年金制度」を言いきったのとまったく同じことであり胡散臭さを感じます。どんな案であれ、メリットとデメリットがあり、ましてこの郵貯・簡保の巨額な資金を運用した経験を持つ人も組織もないわけですから、竹中さんのようにこれは完璧だとばかりに主張されると、なにか学者の机上の空論じゃないかとか、裏に怪しいことがあるのじゃないかと疑うのが自然な反応でしょう。プロパガンダとしては上手とはいえないですね。
いやいや政治はディベートの世界なので、一方的に正当性を主張すればいいんだ、それを上回る議論を持ち込めない野党、具体的には岡田さんが問題なんだといえないこともないでしょうが。個人的には、現在の民営化の枠組みでは、過保護で株式会社と名の付いた水ぶくれの公的企業、場合によっては自らの有利な立場を利用して市場で傍若無人な振る舞いをする企業が誕生いかねないわけで、市場での競争原理乱す一方で、金融の世界では融資などやったことがなく、能力は赤ん坊と同じであり、資金需要が縮小してきた民間企業に資金を流すことなんて至難の業です。
国債に振り替えていくか、規模を縮小していかなければ資金がとんでもないところに流れていくことだってありえます。
いずれにしても、選挙戦よりは興味は選挙戦後に移ってきました。そのほうが面白そうです。自民党が勝つにしても勝ちかたによっては、政界再編の火種がくすぶってきます。自民党が圧勝すれば野党が解体再編されそうです。それでは政治のバランスや緊張感が崩れてよくありませんね。しばらくは、公明党と自民党清和会の天下となり、財務省のシナリオ通りに日本は進んでいきます。小泉流に政界の構造は改革できたとしても、メリハリのない緊縮財政がだらだらと続くだけで景気回復も、大きな日本の構造改革も難しくなってきそうな気がしてなりません。危惧ですめばいいのですが、なにか危うさを感じます。

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秋を見つけた

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赤とんぼ
都会では厳しい残暑が続いていますが、スローウェイは、もうすっかり秋の気配です。丹波篠山に行ってきましたが、稲の刈り入れも始まっていました。
丹波篠山は地域おこしの成果なのか、最近はシーズンになると観光にくる車で大混雑してしまいます。シーズンに入る少し前の今頃が訪問するには絶好かもしれません。
また11月15日を過ぎると、いのしし猟が解禁され、生の猪肉(手切り)のぼたん鍋楽しめますね。他の地方は知りませんが、関西ではやはり猪肉は丹波篠山がブランドです。

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刈り入れ

 

 

 


稲穂薄

 

 

 

 

 

 

丹波栗

民でできないことだけを官で

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読売新聞に「改革を問う」というコーナーがありますが、北城経済同友会幹事へのインタビュー記事がありました。そのなかで、まだまだ各党のマニフェストは、産業政策分野での活性化の具体性に乏しく、踏み込み不足だという苦言とともに、その重要な施策である規制緩和に触れ、「民のできることは民へ」というのは「官主導」の考えであり、「民でできないことだけを官で」という発想を各党とも持って大胆な規制緩和のプランを示して欲しいと語っていらっしゃいます。同じことが地方分権に関してもいえることで、「地方でできることは地方で」というのは霞ヶ関主導の発想であり、「地方でできないことだけ中央で」に通じます。
しかし、この規制の壁は厚いですね。それこそ、官僚、政治家、利権団体がうごめき、なかなか前に進みません。小泉さんが声高に叫んだ三位一体の改革も時間が経つとともに次第に各省庁の横やりがはいり迷走しはじめました。郵政民営化という小泉さんのライフラーク以外の改革が自民党という既得権益のしがらみだらけの政党の枠組みでできるのかどうかは全く見えてきません。郵政民営化が入り口であり(郵政民営化でなにもかも解決するという国民を馬鹿にしたような、レベルの低い発言もありましたが)、いやできるんだというのが自民党の主張であり、政権交替しない限り無理だというのが民主党の主張です。

それを考えさせられる出来事が今回の選挙戦で起こりました。同じく今日の読売新聞の「政治の現場」という特集に取り上げられていますが、財務省からトヨタに転職して、奥田会長の財界活動を補佐、また竹中さんが内閣府政策参与として起用し、小泉改革の実務ブレーンであったた岸本さんが、なんと解散と同時に、自民党ではなく民主党から出馬してしまったのです。竹中さんから見れば全くの裏切りですが、これも岸本さんが諮問会議で医療費の伸びの抑制や社会保険庁廃止を訴えても、結局は自民党の族議員や支持団体に骨抜きにされてしまったという苦い体験から、自民党では駄目だという限界を感じてのことだそうです。

たとえ、小泉さんの掲げる改革は賛成であっても、自民党に一票を投じることはこういった規制を守る人たちの延命になるかもしれません。いやいや、自民党に一票を投じることが改革を支持することになり、郵政族をあぶり出したように次々と族議員をなくしていけるという見方もあるでしょう。
そんなことをしたら自民党の議員のほとんどがいなくなってしまいそうですが、いずれにしても、日本再生、再建は、思い切った規制改革を軸とした経済活性化戦略抜きにはありえないし、また少子高齢化時代に備える国家戦略の大転換抜きにはありえないことだけは間違いありません。
貞子ちゃんの連れ連れ日記さんが、ブラックボックス予算・特別会計で小泉内閣を切ってみる(追伸)で以下のように怒りをぶつけていらっやいます。

公務員じゃない私たちの暮らしが 働けど働けど 倹約すれど倹約すれど なにげにゆとりが無いと感じている民間で働いているそこのおとうさん!
決してあなたの能力が低いわけでもあなたの努力が足りないわけでもないのです!
国家と地方の公務員が無駄に使い放題しているから 民間人の生活が今ひとつパッと豊かにならないのです。

腹が立つので日本の借金時計のリンクをもう一度張っておくと書いていらっしゃいますが、もう一つ日本の借金の増加の勢いが一目で分かるグラフがある財務省のサイトのリンクを張っておきますので、どうそゆっくり鑑賞して下さい。
小泉さんは威勢は良いですが小泉政権になっても借金は減らせずにむしろ増えてしまいました。四年程度では実績をだすのは無理だということでしょうか。まあ、明治以降つづいてきた日本の官主導の国家の枠組みが制度疲労どころか相当進行したガンになってしまったのですから、小泉さん一代でできることには限界があるだけのことかもしれません。

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サーバーが重すぎる

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このところライブドアのサーバーがどんどん重くなってきています。選挙に出ることはお好きにどうぞという感じですが、この状態は困りますね。いい加減に改善して欲しいな。
ホリエモンは、『改革のスピードを鈍らせるのは許せない』とか言ってたけれども、ユーザーの立場からすると、郵政の民営化とか、改革を訴える人はいくらでもいるので、ホリエモンには、まずはライブドアの使い勝手とかサービスの質をよくしてよと言いたくなります。
それにしても、選挙に出て、サーバーが重くなってしまったと言うのはよほど運が悪いね。選挙でトラフィックが増えたのが原因じゃないかと書いていらっしゃった人がいましたが、Alexaでトラフィック量を調べると、下のグラフはライブドアのページビューのこの三ヶ月の推移ですが、確かに増えてはいるけれど、さほど急激に増えているわけでなく別問題かもしれません。
ライブドア

 

 

 

 

 

 

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アジアの標準になれるのか Asianux

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asianuxこの分野は素人なので、考えを書くと言うよりはみなさんから教えて欲しいので取り上げたというのが正直なところです。
アジア標準のリナックスを目指しているAsianux新製品が北京で発表されたという記事が目にとまりました。Asianuxは、2004年1月に誕生した日中韓3社の共同プロジェクトだそうで、中国の中国科学院と情報産業省傘下のソフト開発会社のレッドフラッグ(紅旗)、韓国のハーンソフト、日本のミラクル・リナックスがメンバーです。
韓国政府が構築を進めている韓国最大のLinuxプロジェクトとなる大規模な教育情報システムNEISでAsianuxが本採用となったり、ソフト国産化政策を進める中国政府などの採用が見込まれているということで今後の動向を注目したいところです。日本はどうなんでしょう。
反日で騒いだり、中国や韓国と聞いただけでアレルギーになる人もいますが、現実のビジネスの世界では、日本・中国・韓国の間の国境はどんどん敷居が低くなくなってきています。中国や韓国から軸足を移そうにも、まだまだインドは距離があるという感じでしょう。
国家戦略ともいえそうなOSの世界も日本・中国・韓国が中心となったアジアの時代となっていくのでしょうか。

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忘れていないだろうか?もうひとつの終戦

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8月15日の終戦を過ぎてから戦死した人たちがいらっしゃいます。このことも忘れてはいけない戦争の傷跡です。

60年前の当時、敗戦が決定的となった日本政府は、平和条約を結んでいたソビエトの仲介を通じて連合国との和平工作を進めようとしていました。しかしソ連側は完全に無視し、なんらの回答もしません。それもそのはずで、2月にはヤルタで米英ソの指導者が日本の敗戦処理の秘密会談を行い、ソ連は樺太の南半分と千島列島を手に入れるという密約を交わしていたのですから。
さらに、スターリンは日本の敗戦は領土拡張の千載一遇のチャンスと考えていました。樺太全土、千島、さらに北海道を奪えば、完全にソ連の内海ができます。

8月6日に広島に原爆が投下され、ソビエトの調停に最後の希望をつなぎ、駐ソ佐藤大使がソ連の外相モロトフに会談を申し込みます。スターリンは、日本が降伏の意思のないことを最終確認し、しめたとばかりに、8月8日の佐藤、モロトフ会談で一方的に和平条約の破棄と宣戦布告を行ったのです。日本は完全にソ連に裏切られます。戦争に負けていたからしかたないとしても、情報収集力が完全に不足していたということです。
その翌日からソビエト極東軍は、国境を越え満州の攻撃を開始し、8月14日に日本がポツダム宣言を受諾した後も侵攻を緩めませんでした。この侵攻によって日本の兵士60万人がシベリアに送られ、厳しい寒さと過酷な条件のなかで強制労働をさせられ、6万人もの人びとがなくなりました。舞鶴の引き揚げ者記念館にシベリアでの捕虜生活の資料が残っていますので、機会があれば、ぜひご覧になってはいかがでしょうか。また侵攻してきたソ連の野蛮な兵士が略奪の限りをつくしたことは引き揚げ者の子供なら親から生々しく語り伝えられてきたことです。

日本がポツダム宣言を受諾したことでアメリカは停戦命令を出しますが、ソビエトは攻撃の手を緩めず、南樺太、千島での進攻を開始し、当時は合意のなかった北海道をも占領しようとします。
しかし、スターリンにも誤算がありました。もともとは終戦を迎え戦闘の意志がなかった日本軍がこの侵攻に激しく抵抗したことでした。この戦闘は凄惨を極め、当時樺太の真岡には引き揚げを待つ人々が大勢いましたが、ソ連軍はその民間人をも追いかけ小銃で殺戮したといいます。

この戦闘でソ連側の記録によると、日本軍の死傷者は1,018名、ソ連側 は1,567名であったといいます。民間人はどれほどだったのでしょうか。北海道上陸を、スターリンは8月22日に断念しますが、以降は千島列島の占領に全力を挙げ北方4島の占拠を終えます。
さらに8月22日には不幸な出来事がありました。樺太(サハリン)からの引き揚げ船3隻が小平と増毛沖で相次ぎ潜水艦の攻撃を受けたのです。1700人余が犠牲になりました。潜水艦は長く国籍不明とされ、いまだにロシア側は認めていませんが、ソ連崩壊によってでソ連の潜水艦であった資料が明るみに出てきています。
最近は中国問題に目を奪われ、なにか北方領土のことが国民の意識から薄れてきたような気がしてなりません。特に若い人たちにとっては、北方4島といっても、鈴木宗男さんの「ムネオハウス」ぐらいのイメージしかなく、そこにどんな凄惨な歴史があったのかもご存じでないかもしれません。

スターリンの野望によって、ほんとうに多くの日本人が理不尽な犠牲を受けたのです。しかもソ連が倒れ、ロシアとなったいまも、この問題は全く解決していません。いまだに戦後が終わっていないのです。竹島や尖閣と違って、北方4島は、たんになる領土という問題を超えた歴史の傷が残っているのです。
それにしても、歴史にも「たら、れば」はありませんが、時の指導者たちがもっともっと早く降伏を決断していれば、原爆投下も、北方4島のソ連の占領問題も起こりませんでした。ほんとうに、日本が急成長のあまりに自らの力を過信し、またつまらないめんつにこだわり、人びとの命の犠牲を軽んじた当時の軍官僚、また政府の指導者の罪や過ちを思うと複雑な気持ちになります。特に情報収集力の欠如が大きな間違いを犯す大きな原因であったにもかかわらず、戦後も情報はアメリカまかせで、アメリカのご機嫌さえとっていればよいいうおめでたい外務官僚もいて、ほんとうに懲りない人びとです。
戦後60年を経た本年、プーチン大統領が来日を予定しています。もしプーチン大統領から謝罪の言葉がなければブーイングものですね。

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みっともないよ。ホリエモン

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やめとけばいいものを、きっと小泉さんを取り巻く『選挙マーケティング屋』さんの浅知恵に乗ってしまったのが間違いじゃないでしょうか。プロ野球問題や、日テレ問題の場合は大義名分がありましたが、今回の場合は所詮筋が通りません。ホリエモンが出馬する必然性が感じられません。なにか裏があるとしか思えないし、表情もなにかごまかしている目つきに見えてしまい冴えません。それが、やはりテレビで醜態をさらけ出してしまいました。
いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」さんの「ホリエモンに政策はあるか」に詳しいですが、ちょっとホリエモンの発言そのもの、またそのレベルにガッカリです。本当に郵政民営化の中味を知っているのかも怪しく感じてしまいました。ひとつの焦点に絞り込むというシングルイシューポリティクスは小泉さんの得意芸ですが、絞り込むのと「郵政民営化」しか言えないのは違うのです。

いくら自分に都合のよくない質問だからといって「あんまり下らない質問は止めてくださいよー、そんなの違うじゃないですか、答えたくないですね」とやってしまいましたが、国会議員に立候補すると言うことは、国民の税金を使うのだから、それはないでしょう。それは不遜そのものだし、都合の悪いことは封殺するという裸の王様症候群です。それに簡単に相手に乗せられてしまったところがみっともないですね。

また、なにがしたいかの質問にお金儲けの教育と答えていました。まあいいでしょう。お金をどう儲けるかというブログは人気がありますからね。しかし、貞子ちゃんの連れ連れ日記さんがお書きのように、「堀江氏の真の狙いは郵貯のお金」というイメージにつながり、やはりねという発言です。しかも比例代表ならまだしも、亀井さんと争うためだけに広島六区からでるというのはちょっとイメージがよくありません。

またきっと選挙のプロセスで、さまざまな変化球の質問が飛び出してきます。それも自分のまいた種です。政治にほとんど関心がなかったホリエモンに耐えられるのか、うまく答えられるかるかはかなり疑問です。話に説得力がとぼしく、これまでと違って、自らの言葉で熱く語られる「大義」が伝わってきません。

肥満の相撲取りがルールも技も違う総合格闘技にでてボロがでるのはわかりきった話で、誰か止めてあげる側近がいなかったのか、それともすでに裸の王様になってしまったのでしょうか。
今からでも遅くないので、ライブドアの社長をやめることは約束すべきだし、日本をどのような国にしたいのか、そのためにはどのような理念が必要で、どのような政策が必要なのかからしっかり立て直さないと、売名行為を狙ったたんなる小泉さんの鉄砲玉でしかないと思われるばかりか、カリスマ性はどんどん失しなわれていくでしょうし、下手をするとライブドアのイメージも大きく損なわれる結果にもなりかねません。

小泉さんとしては亀井さんに打撃を与えればそれでいいわけで、ホリエモンは小泉さんの捨て駒でしかないということに最初から気づくべきだったですね。ひょっとするとなにか裏取引があったのかと勘ぐりたくもなりますが、残念ながら時代に新しい風を吹かせる若い息吹のひとつがこれで消えてしまいそうです。それにしても亀井さんもコミュニケーションが出来ない人ですね。喋れば喋るほど反感を持つ人を増やしているように感じます。こっちもいいブレーンがいないのかな。

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秋の気配

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秋の空まだ昼間は残暑が厳しくいのですが、空の青が深くなり、透けたような日差しに秋を感じるようになってきました。つこの間まで勢いのよかった蝉の声ももうほとんど聞こえません。、このころになると、毎年のように夏の疲れがどっとやってきます。

 

さきほどまで、ぼんやりとした頭で、PCに向かって、テレビを聴いていました。そう、テレビは見るというよりは聴いていることが多いのですが、『報道2001』に出演していた小林興起さんが番組の最後に「今日5時に新党を立ち上げる」といっているのが聞こえました。どんな新党なのでしょうか。そういった動きが政界再編を促せばいいですね。
すこしずつ政策中心の選挙にはなりつつありますが、それにまぎれてでてきたのが、小泉さんとその側近が進める選挙手法です。
その背後に、なぜか軽薄な広告屋のにおいを感じます。それはインチキくささ、軽薄さに通じるのですが、同時に、ナチスドイツのゲッペルツを思い出してしましまいました。ゲッペルツは選挙運動の天才で、ポスター、カッコいい制服、気持ちのよいキャッチフレーズを発明し、ヒットラーはその演出のもとに若い人々を魅了していったのです。
ホリエモンはその典型でしょうが、ブログを見ていると選挙に出たことに関してのブログはたくさんありますが、プロ野球のとき、また日本テレビのときほどの熱いものはなく、もうホリエモンも旬を過ぎてしまったというか、みなさん冷静だということだと思います。

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もうひとつの刺客

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選挙で『刺客』がどうのこうの騒がしいですが、ご存知でしたか、このところ、Windows2000の脆弱性を狙ったワームの新たな変種がつぎつぎと放たれ、こちらのほうも騒然となっています。
ケーブルニュース局CNNやABCテレビネットワーク、New York Timesなどのものを含む全米のコンピュータが、このワームの影響を受けたようですが、幸い被害は今のところあまり拡大をしていないということです。
ワームもウィルスの一種ですが、メールなどに添付されてくるものと違って、自己増殖しながら、ネットを通して直接進入してきます。
ワームといえばCodeRedが思い出されますが、あれは2001年の今頃でした。世界中のサーバーがつぎつぎにやられていきました。ほんとうに悪夢でした。すさまじい数の被害がでました。
今回の被害があまり広がっていないというのも、そういった教訓から以前に増して慎重に対策が講じられるようになってきたからでしょうか。

ところで今回のワーム騒動は、ワームという刺客を送り込んでいるのが複数のグループでありハッカーグループ間の抗争事件ではないかという見方があるらしいのです。
CNETの『「ワーム戦争勃発」は本当か--専門家の間で分かれる見解』に詳しく書かれていますが、乗っ取ってリモートで操れるようになった大量のPCでボットネット』というネットワークが組まれるのですが、そのボットネットの縄張り争いが起こったという見解です。
かつては、自己満足でウィルスやワームをばら撒いていた時代と違い、乗っ取ったボットネットのPCにスパイウェアをインストールして個人情報を盗んだり、またスパムメール送信用として有料で貸して稼ぐという組織的犯行となってきているそうで、「スパム送信用“ボットネット”のレンタル料は1時間で300ドル」という相場もあるというのです。
単に汚染させた数を競い合っているだけだという説もあるようですが、いずれにしても、自己防衛するしかありません。汚染されると、自分のPCが不具合になるというだけでなく、他の人にも迷惑をかけるので、エチケットとしても、最低限ウィルス対策ソフトをインストールしておき、ウィルス定義を最新のものに保っておくようににしておきたいですね。

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新党の香りのしない新党誕生

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郵政反対派の選挙区に対立候補を立てるという自民党の矢継ぎ早の攻勢に追い込まれ、ついに綿貫代表、亀井幹事長という体制で「国民新党」が結成されました。古き良き日本、話し合いで調整をつけ、弱者、なかんづく農村とお年寄り、さらに地元企業に配慮する政党ということになるのでしょうか。それにしても、名前が悪いですね。中国の国民党も負けたし、スペインも駄目だったことを余丁町散人さんもご指摘ですが、瞬間に同じことを感じてしまいました。

絵を描き、情を大切にする亀井さんの人柄と、自分がすべてで、オペラや相撲には感動しても、妻や子供も冷酷に切って捨てる小泉さんとは対照的な存在です。亀井さんは、「配慮」と「調整」に長けた、極めて日本的なリーダーであり、構造を改革し、情け容赦のない人事圧力で人動かす小泉さんは、織田信長タイプで日本的リーダーとしては珍しいタイプです。きっと個人的にお付き合いすれば10人中9人までが亀井さんということになりそうですが、ちょっと今回ばかりは分が悪いですね。

そもそも、亀井さんは小泉さんの国会運営をヒットラーを引き合いに出して、それよりも悪いと批判しました。ヒットラーを出したということは宣戦布告にほかなりません。ヒットラーより悪いといわれて、黙っていては政治家としての立場がなく、小泉さんも受けてたたざるをえないと思いましたが、しかけた側がのんびりしすぎていました。綿貫さんや亀井さんは相手をなめすぎたというか、戦争は勝てなければしかけてはいけないのです。
市場における競争もそうです。外交もそうです。実際の戦争もそうで、勝てない戦争をしかけてはいけません。日本はそれを嫌というほど思い知らされました。
そういえば、アメリカは、イラクでフセインを倒したものの泥沼はまってしまいました。勝利なき戦争をやってしまたのです。イラク戦争の失敗は、やがてアメリカの重い負担となってくるでしょう。アメリカの世界にたいする支配力はじわじわと落ちていくに違いありません。アメリカの凋落を象徴するかのように、ついにハイテク製品まで貿易赤字に転落し、さらに赤字が拡大してきています。

それにしても、つぎつぎに選挙を『マーケティング』してくる小泉さんですが、ついにホリエモンまで登場ですか。どんどん目先の変わった新製品を投入、というか地方に新しい大型スーパーを出店して、地方の駅前商店街に壊滅的打撃をあたえていくようなものでしょうか。
競争戦略としてはなかなかなものです。さて、マニュフェストを柱に総合的なスペックが良いですよという主張のもとに、イメージとは逆に小沢さんが強調してきたどぶ板的選挙活動を強化してきた、つまり『営業活動的選挙』を展開してきた民主党が勝つのか、郵政改革という一点に旗印を絞って、華やかに、『マーケティング的選挙』を繰り広げる小泉自民党が勝つのか、古き良き日本保存会の国民新党は生き残れるのか、まるで火を見るとそこに飛び込んでいく虫のように政局好きのマスコミが元気づく選挙でしょうが、民主党も郵政改革問題で大きな戦略的失敗を犯し、かといって小泉さんは、自分に理解できない年金問題については大失態を見せたように郵政改革しか展望を持たないわけで、これでいいのかなニッポン。

ついでですが気になるのはホリエモンです。名経営者がなぜ失敗するのかという本のシナリオ、やってはならないことにむかって突き進むホリエモン。それで失敗しなければエライ!でもなんとなく危険な匂いがします。

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名経営者が、なぜ失敗するのか?

CNETJAPAN 2005年上半期の注目記事 

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CNET JAPANが『読者とブロガーが選ぶ、2005年上半期の注目記事』で、CNET JAPANのどの記事が多く読まれ、またトラックバックが多かったのかを発表しています。各月別の結果を見ていても面白いけれど、総合で見ると、ソニーの新会長に就任したストリンガー氏のインタビュー記事『ソニーはふたたび「クール」になれるか』がトップになっています。出井会長辞任の衝撃も大きかったと思いますが、果たしてソニー復活のシナリオ、いやマジックが本当にあるのかに多くの目が集まったということでしょう。
もっとも、ソニーが再び時代を拓く存在として復活するには、アップルがiTunesとiPodで取ったような思い切った戦略が必要でしょうが、Appleと違って、総合型の肥満児になってしまった現状ではまずは減量するしかないのじゃないかと感じます。このままでいけば、市場が敏感に反応しないアメリカ市場にどんどん傾斜していき、そうなればなるほど先進性が失われていくという悪循環にはまる危険をはらんでいるのではないでしょうか。
トラックバックの多かった記事のトップは、総合ランキングで二位の『アップル、IBMを見限る--Macにインテル製プロセッサを採用へ』でしたが、ベスト10を見ると、かなり総合ランキングと違う記事が並んでいます。記事の中でも、『時事性』の強いものが選ばれたということですが、ブログで取り上げやすいニュースということもあったのではないかと思います。

CNETだけじゃなく、一般のニュースも何が注目されたのかの発表があれば面白いと思いますが、どこかでやっているところがあるのでしょうか。

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三角山五衛門ラーメン

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五右衛門唐突ですが、ラーメンの話です。普段はあまりラーメンを食べないのですが、札幌に行ったので、やはりラーメンは食べておきたいと思い、タクシーの運転手さんから情報を入手。狸小路9丁目角の小さなラーメン屋さん『三角山五衛門ラーメン』に行ってきました。

ラーメン腰のある麺で、あさりしたしょうゆ味。チャシューも美味しく、なるほど札幌のラーメンのレベルは高いと感心しながら堪能しました。きっとたくさんあるラーメン屋さんが競い合って、腕を磨き、また独自の味を追求してきた結果、札幌のラーメンというブランドができたのだと思います。同じことを感じるのは東京の焼き鳥屋です。関西は『くいだおれ』の食通の地といいますが、焼き鳥屋は少なく、層の厚い東京にかないません。

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戦後60年

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戦後60年と言うことで、各紙が社説で取り上げています。各社の視点は微妙に違いますが、歴史をを問い直そうという主張が多いように感じます。社説は苦手だと言う人もぜひ今日のは比較しながら読まれることをおすすめします。読み比べるには『新聞コラム社説リンク』のサイトが便利です。

ところで、産経新聞の社説のなかで、多くの人々の歴史観を決定づけるような大戦争や革命は、60年ほどたつと評価や見方、いわゆる歴史観が不思議なくらい大きく変わり始めるという国際政治学者の中西輝政氏の「歴史観の六十年周期説」を紹介しています。まあ中西さんが主張すると、間接的に自分の持つ歴史観が主流だとといいたげだと感じてしまいますが、60年経って、日本もそろそろ自らの進路を自分の頭で考えないといけないという自覚が生まれつつあることは事実だ思います。
さて日本の場合、歴史観が変わるというよりは、歴史観を持たなかった、あるいは歴史観を持つことが暗黙の内のタブーとなって、思考停止していたというほうが事実に近いのではないしょうか。だから、いまだに、第二次大戦は明治以降の日本にとって避けることのできない宿命のような戦争であり、運命なので誰も責められないといった主張とか、もっと酷いのはアジア解放のための自衛戦争であったとかといった主張をする人びとを生み出してしまい、それが近隣諸国の嫌悪感に火を注ぐ結果となってしまっています。

これも東京裁判の裁定に結果をゆだね、日本自らが戦争責任を問わなかった結果の産物といえるかもしれません。だから東京裁判の不当性を暴けば、日本は悪くなかったのだというような論理のすりかえをする人びとの主張を許してしまっています。東京裁判が不当であることと、日本はなぜ勝ち目のない戦争に突入し、出さなくとも良かった犠牲まで犠牲を広げてしまったのか、何が問題であり、なにに責任を問うべきで、なにを教訓とすればよいかを敗戦から学ぶことは本質的に違います。
いろいろな歴史の見方はあるでしょうが、第二次大戦の悲劇、あるいはそのなかで本来なら犠牲にならなくともよかった多くの人びとまで犠牲にしてしまった愚行があったのは軍部という肥大化した官僚組織が暴走させてしまった結果だということです。もちろんそれだけではないでしょうが、その核心を問わないと歴史に学ぶ知恵が生まれてきません。事実、官僚主導の国家体制は戦後もいまなお続いてきました。
軍部という官僚主導の国家体制による失敗は、民間人も含め第二次大戦で310万人という尊い犠牲者を出しましたが、組織こそ違っても官僚組織が、霞ヶ関主導の国家体制で、国家破綻に向かってまっしぐらにつきすすんで、とんでもない財政赤字をため込んでしてしまいました。
うまく使えば役立つはずの官僚も、組織を改革せず、なすがままに放置した結果、さらに政治に統治能力が不足していたために日本のガンとなってしましました。
日本のもっとも重要な課題は、いったい誰が、どうすれば官僚を統制し、明治以降続いてきた発展途上国型の官僚主導体制からどう脱皮できるのかでしょうが、すくなくとも小泉さんは郵政改革がその突破口だといっています。民営化は統治の仕方の問題であり、民営化すればバラ色というのは間違いだと思います。まだ具体性があるとはいえ、あの公務員体質の郵便局員と利権に甘えてきた特定郵便局が民営化されたからと言っていきなり活性化するとは到底思えませんね。
さて一方の民主党はどう官僚王国からを打破する戦略を語ってくれるのでしょうか。人件費削減するというだけで可能なのでしょうか。それは絶対必要としても、それだけじゃなく、しみも変えていく必要があると思うのですが、どうでしょうね。以前からの主張のように政権交代が、官僚支配を崩すという主張を押し通した方が説得力があるかもしれませんが、ちょっと無理があるでしょうか。すくなくとも、郵政民営化が少子化対策となるという人を馬鹿にしたような論理よりはましでしょうけれどね。
いずれにしても不毛な選挙にならないように、どちらを選ぶのか、国民がいい意味で悩むぐらい自民・公明連合も民主党も知恵を出し合って頑張って下さいね。あっ、共産党とか、社民党とかもあったんですね。そうでしたね。忘れていました。

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ワッショイ深川

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神輿
拍子木の三本締めが鳴り響き、ワッショイ、ワッショイの掛け声とともに神輿が冨岡八幡宮に向かって勢いよく進んでいきます。深川祭りは、沿道の人々とも一体となって盛り上がっていきます。水掛祭りともいわれるように沿道から水を掛けて神輿を清めたり、熱気がこもった担ぎ手の体を冷やします。


禊 八幡宮の前にくるとお払いで清めてもらい、8キロのコースに神輿は向かいます。

 

 

葵太鼓

迫力ある葵太鼓のみなさんの演奏が八幡宮から響き祭りがさらに熱い。

 

 


水掛

水だ、水だ。

 

 


人

担ぎ手が2万人以上、50万人の観客が道を埋めつくします。

 

 

江戸っ子は祭りが好きですね。この迫力はすごい。
炎天下それを見に行く誰かさんも好きだねぇ。

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写真は生活の豊かさを映す

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若いスタッフが、最近写真を撮ったことがないというので、それは、仕事ばかりしていて、ちょっと生活がプアになっているのじゃないか、時間は自分でつくってどんどん生活を楽しむようにしないとマーケットに対する感度が悪くなるよとアドバイスしたのですが、面白いことに、写真を撮るショット数と生活のエンジョイ度というか充実度とはどうやら相関しているようです。
子育て期のように、子供の成長という楽しみがあると写真を撮る枚数は増えます。子供は写真のモデルとしては最高ですからね。、また生活に余裕が生まれ、旅行にでかける機会が増えるとまた写真が増えます。最近はペットと生活を楽しむという人も増え、ペットの写真も増えてきたようです。最近写真を撮っていないという人は、生活が単調になっていないかちょっと振り返ってみたほうがいいかもしれません。

ショットが増えれば『いい写真』も増える

若い頃、カタログとか、ポスターの写真撮影の立ち合いをよくさせられました。別に写真の構図がどうのこうのとかは、デザイナーの人とカメラマンが決めていきますが、商品が正しく撮影されるかどうか、商品の組み合わせが間違っていないかといったことだけをチェックするためです。
撮影の後も、でき上がって来た写真をデザイナーの人と一緒に選ぶのですが、相手の人はプロとして活躍されている人たちなので、一緒に選ぶといってもこちらは、よほど意見を求められない限り、選ばれた写真に写った商品に問題がないかをチェックするだけでした。
そんな時に、これがプロの仕事なんだと感心したのは、撮影する写真のショット数の多さでした。素人で写真を撮るというと、慎重に構図を決めて、はいパチリという感覚でしたから、パシャパシャと多くの枚数を撮るのに驚かされました。
できあがった写真を選ぶときになって、ああやはりたくさん撮っておかない駄目なんだということがよくわかりました。モデルさんのように動く被写体の時はなおさらです。ポーズと、顔や手の表情と商品すべてがいい感じという写真はそうそうありません。プロのカメラマンの腕でもそうです。
パシャパシャとたくさんシャッターを切るというのがいい写真を撮る近道かも知れません。
もちろん写真を撮る技術、写真の知識というのもあるでしょうが、誰でもたくさん写真を撮っていると、知らず知らずのうちに写真を撮るセンスも磨かれてくるようです。デジタル・カメラが普及して、気軽にシャッターを切るようになり、ますますこの傾向が顕著になってきているようです。ブログの世界は、そんな面白い写真、いい写真がたくさんありますね。
視点を変えると、ブログは写真の新しい楽しみ方を広げてきているように思えます。日本にもflickrのような、ブログと相性のいい本格的な写真のソーシャルネットワークサービスが出てくれば、もっと豊かな画像の世界が広がってくるのではないでしょうか。きっと登場してくれると思うので楽しみにしています。

写真といえば、営業支援ASP-ActionCockpit開発者の日常の笠原さんが紹介していたS.L.R.C.fc2さんのブログは素敵です。特に季節的には、山里の昆虫図鑑淀川花火遠景 は素晴らしいのでここでも紹介させて頂きます。

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『ひょうたんからコマ』の発明か、『目から鱗』の気づきか

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CNETで『ひょうたんからコマ--表面に書き込み可能な防水コーティング技術登場』という記事がありました。もともとは『紫外線のもとではやく乾く』コーティング剤のデモをするために塗布したものの下に敷いていた紙に鉛筆やボールペンで書き込みができるかどうかを調べてみたことから『目から鱗』のようにこれはいけると気がついたようです。まだ技術が完成していないようですが、防水ラベルなど応用範囲は結構あるかもしれません。
『ひょうたんからコマ』という話では、ポストイットの開発が有名です。もともとは、3Mのスペンサー・シルバーが『よくついて、離れない』接着剤の開発をやっていて『よくつくが、はがれやすい』接着剤がたまたまできてしまいました。
そのままでは、たんなる出来損ないの接着剤にしかすぎず、陽の目を見ずにお蔵入りとなっていたでしょうが、たまたま同僚のアート・フライが、賛美歌のしおりがすぐに落ちてしまうので、なんとかならないかと思ったときに、この接着剤のことを思い出したことがきっかけとなって開発が進んだのです。
しかし、『賛美歌のしおり』というコンセプトでは売れません。アート・フライはなかなか商品化のアイデアに巡り会えず、とにかく使ってもらおうと試作品をさまざまなひとに配りました。たまたま秘書の人たちが『メモを貼り付ける』のに利用しているのをアート・フライが見て、現在のポストイットのコンセプトに気が付き大成功したというのは有名な話です。まさに『目から鱗』の気づきに出会えたのです。
どんなよい技術でも、それがどうすれば社会に役立ち、商品として売れるのかに気づかないことが結構あります。実際の商品として成りたつ用途やコンセプトを発見できないということです。クイズと一緒で答えを知ってしまえばなあんだということでしょうが、答えを見つけるのが結構難しいということでしょう。ポストイットの開発物語りは、きっと役立つ技術だという思いこみがあって、それをしつこく追求していたから「目から鱗」の発見ができたという教訓でしょうか。
発明があったからすぐに用途が見つかるとは限りません。実際、人工血管とか、フィルターとか眼鏡のレンズ拭きなど、とてつもなく用途が広がっている超極細繊維も、最初の研究段階ではまったく用途がわからず、研究中止の会社決定があったそうです。それをかいくぐって生まれた技術でした。誰も、発明したご本人もまさか、今日のようにどんどん新しいマーケットを広げる技術だとは気がつかなかったというから、人の想像力には限界があるということでしょうね。
『ひょうたんからコマ』という偶然との出会いも『目から鱗』という気づきも商品が成功するための不可欠なものなのかもしれません。
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組織能力を活かす経営―3M社の自己超越ストーリー



 

ブログが話題のトップ

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電通消費者研究センター調査による『2005年 上半期の話題注目商品(PDF資料)』が発表されています。
(※PDF資料を見るためには、アクロバットリーダーを最新のバージョン adobe Reader 7.0にしておくことをオススメします。古いバージョンとはダウンロードにかかる時間がまったくちがいます)
なんとブログがトップという結果。インターネット調査だからそうなるということもあるでしょうが、いずれにしてもブログが広く旬の話題になっていることには間違いないでしょう。
ブログはこれからどうなっていくのでしょうか。おそらく、ビジネスでの活用も含め、さまざまなカタチが生まれ多様化していくでしょうが、マーケティングの世界の住人の習性で、そろそろ次はなにか(What is Next ?)に関心が向いていきます。

消費者が選んだ2005年上半期の話題・注目商品ベスト10
1位 ブログ
2位 映画「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」
3位 大画面薄型テレビ
4位 愛知万博(愛・地球博)
5位 ドラマ『ごくせん』
6位 携帯型デジタルオーディオプレイヤー
7位 ハードディスク付きDVDレコーダー
8位 コエンザイムQ10商品
9位 電子マネー
10位 オール電化住宅

それよりは、結果を見て意外だと感じたのは、電力会社の広告は入っているけれど、あまりマスコミで取り上げられているとはいえない「オール電化住宅」がベスト10入りしていることです。「今後、はやると思うもの」の結果でも、「オール電化住宅」が入っています。きっと長期的なトレンドだという認識なのでしょう。
もちろん台所をIHヒーターにリフォームすると快適さは抜群で、一度IHヒーターにするともうガスレンジがなにか一時代昔の設備に感じてしまいますが、いずれ将来は、エネルギー源がガスであっても、直接燃やすということはなくなり、ガスで発電して使うというようになっていくので、そういった技術の流れから言っても、そうとう長期的トレンドになるかもしれません。
デジタル家電のように、華やかで注目される分野は、あっというまに普及して、価格がどんどん下がって、気が付くと成熟してしまっているという忙しい市場です。そういったスピード勝負の市場ばかりだと疲れます。そろそろ、ゆったりとした流行、スロー・マーケットが主流になってくれないかなあと思うのは暑さで気力が落ちているせいでしょうか。

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やはり小泉支持がアップ

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各紙の世論調査がでてきました。
読売:「解散は当然」52%、首相続投は賛否二分
朝日:首相の衆院解散、「賛成」48% 本社世論調査
毎日:小泉内閣の支持率は46%で、9ポイント上昇
数字の違いはありますが、解散に賛成する人が多く、また低迷しはじめていた小泉政権の支持率が予測通りアップし、反対派は評価されていません。三紙のタイトルを合わせればほぼ状況が掴めると思います。なんてシンプルかつ分かりやすい結果なのでしょう。
小泉さんの単純明快な手法は、筋が通っているだけに強いですね。今までの自民党の調整型ではありません。こういった小泉さんの手法や思い切りの良さは、血に流れる極道のDNAを考えれば納得できますが、流れが読めなかった亀井さんは、やはり政治家としては駄目じゃないですか。
亀井派は消滅の危機です。渦中にいると、こんなに分かりやすいことも分からなくなるのでしょうか。特定郵便局長会の人びとに囲まれ、気持ちよく語っているうちに現実がわからなくなったのかもしれません。
郵政民営化反対とかいうけれど、電子メールがどんどん増えて、郵便が減ってくれば、違う稼ぎ口を見つけないと話にならないし、郵貯も簡保も、これまでのように財投の利息で辻褄合わせるというわけにいかなくなります。郵便局の伝統的ネットワークを残せと言っても誰も共感しません。

あとは民主党ですが、どうも岡田さんも戦闘に強いタイプには見えません。よくよく民主党の主張を見れば、理屈が通っていると感じることも多いのですが、分かる人にはわかっても、郵政民営化に関しても、労組があるから反対したとしか世間は見ていませんよ。民主党は何を考えているのか分かりにくいというか、存在感がないのです。野党だからハンディがあるのはしかたありませんが、そのハンディを考えた主張をしないとね。
今は政治がショー化している時代なので、小泉さんのような単純なキャラが受けます。難しい話は敬遠されます。昔、広告のコピーは中学生に理解できる程度でないと駄目と教わりましたが、政治も同じでしょう。
それにエキサイティングでなきゃあ駄目でしょうね。そんな気の利いたシナリオづくりと演技が岡田さんにできるのかしら。案外誰もがわかって際だつ争点をつくるののは難しいように感じます。まあどっちもどっちショーだと思っているので、どちらも頑張って下さい。激しい競争がお互いを鍛え、政治を面白くしますから。
今のところ、これで小泉さんの属する福田派のお家安泰。森さんも馬鹿なこと言ったのでもう終わり。これにて一件落着というようになるのでしょうか。自民党が勝てば、それでも反対するという度胸のある自民党の議員は少ないだろうし、党議拘束をかけていけば、参院も通るでしょう。掃除がすめば、改革はさらにやりやすくなります。今のところ、そんな流れが見えてきます。なんか、当たり前すぎてもうひとつですが、今は、経済にとって政局が安定してくれることがもっとも重要なのかもしれません。

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お掃除選挙

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まあ、不思議な国会でした。国民のほとんどは別に郵政民営化に反対しているわけでなく、議論すればするほど、骨抜きになり、どうでもよくなるのじゃないか、さっさと決めて、年金問題とか、もっと優先すべき課題に取り組んでよというのが正直なところだと思いますが、民営化反対派は、マスコミにどんどん取り上げてもらい、それが国民的支持だと見誤って調子に乗りすぎました。
どんな世論調査を見ても、郵政民営化が優先順位で高いと国民は見ていませんが、賛成している人が多数です。そんな現実を見誤りました。まあ、小泉さんにはもう飽き飽きだという人もいらっしゃるでしょうが、特定郵便局長の利権を守るという主張に共感するのは、同じように利権がつながっている人たちぐらいで郵政民営化反対に回った人びとにとっては地獄の選挙になりそうです。
参議院での否決は、皮肉なことに、小泉政権の終わりになるどころか、ちょっと政権末期症状がではじめていた小泉さんをかえって勢いづける結果となりました。郵政民営化反対派との決着はきっと小泉さんの読みの通りになるでしょう。


それより興味が湧くのは、郵政民営化か民営化反対なのかという争点で自民党は選挙を展開するでしょうが、民主党はいかに選挙の争点を変えることができるのかというゲームが展開されることになることです。これはマーケティングの立場から見ても競争戦略のケーススタディとして興味をそそります。
反対か賛成かという選挙になると自民党の勝ち、ボタンをどうかけるのかという選挙になれば民主党の勝ちということになりそうです。
郵政民営化に賛成か反対かという自民党の打ち出す焦点が単純でわかりやすいだけに、民主党もよほど焦点をうまく絞らないと厳しい選挙になるかもしれません。
まあ、いずれが勝っても日本が大きく変わるとは一部の人以外は誰も思っていないので、政局が不安定になると株価が下がるという予想が大きく外れ、日経平均株価も上がりました。きっと、これで自民党も掃除が進みスッキリするだろう、政治ショーは小さなるつぼの中の嵐であって、経済にとってどうでもいいよという市場の判断ですね。
まあ、それよりは、これでさらに共産党も社民党も厳しい状況になるでしょう。社民党は消滅の危機を迎えます。今回の選挙は、郵政民営化反対派、社民党、共産党といった時代にあわなくなった人たちの「お掃除選挙」になりそうな気がします。
それにしても、マスコミは、政治オタクが主導権を握っているのか、政局ばかり語って、本質を報道しません。年金問題の時と同じです。まあ政治の裏事情をどれだけ通じているかの競争をやっているのでしょうね。

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大阪が熱くなってくる

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来月にも、そごう心斎橋本店が五年ぶりにオープンします。中途半端にモダンで野暮だった建物の外観も大きく変身して、ヴォーリスが設計した歴史的な建造物の大丸とは好対照な姿をすでに見せはじめています。「楽しくなければ百貨店じゃない」というのが内村社長の口癖だそうですが、まったくその通りだと思います。
しかも、狙いは「団塊」。それは大歓迎ですが、日本初の17ブランドをはじめ、これまで百貨店ではなかった新しいブランドをかなり揃えるようですが、団塊世代にそこまでブランドに関心があるのかちょっと疑問に感じますがどうなんでしょう。

その「そごう心斎橋本店」で、昨日のフジサンケイ ビジネスアイで面白い記事を見つけました。エンターテインメント集団「祭組」を結成するというのです。ふーん、いったいそれは何なんだと心をくすぐります。なんでも、公募で選抜された22歳から49歳の18人で、通常は売り場でお客さまのサポートをするそうですが、毎朝の開店時仁パーフォーマンスをやってくれたり、毎月1回「おしゃれライブ」をやったりするチームのようです。大人向けぬいぐるみショーみたいですね。

大阪は、新生そうごうのオープンにつづき、来年にはシネマコンプレックスのある複合型のスタイルで丸井百貨店が関西に進出、阪急梅田店の立て替え、さらに大阪駅ビルに三越が返り咲くなど、その他既存店の増床も含め、熱い百貨店の競争が始まります。

2011年までのこの熱い百貨店競争がどのように展開されていくのか、どんな新しいサービスや売り場が登場してくるのか楽しみです。

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ウォルマート商法が日本で通じる?

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西友が絶不調です。05年12月期に4期連続の最終(当期)赤字になる見通しだそうで、ウォルマート式の、すべての商品をいつも安売りする「Every Day Low Price」商法の考えとははずれるチラシを強化してなんとかするという考えらしいですね。
毎日新聞の取材に、西友の渡辺紀征(のりゆき)・最高経営責任者=CEOは「低価格で買い付けるノウハウがないのに、昨年まで無理な安売りをした」とおっしゃられ、ウォルマート流の安売り導入を急ぎ過ぎたことを反省されているそうですが、ウォルマート式の荒削りの商法が、競争が激しく、しかも商品の質にこだわる日本のお客さまに通じるとは到底思えません。
実際に店舗に行っても、売り場に、輝きも勢いも個性も感じられず、経営が厳しいのはデータを見なくとも肌で感じるはずで、売り場の魅力でうくりや活性化という本質に手をつけなければ、チラシ程度の小手先では厳しいのじゃないでしょうか。
また大手スーパーのイオンが7月に10万円の大型液晶テレビを販売したことを例にあげ、「ウォルマートの調達網を使えば、8万8000円で用意できる」と試算してみせたそうですが、大型液晶テレビで西友が建て直せるはずがなく、的を射的を射た発想とはいえません。
参考記事
西友:渡辺CEO、性急なウォルマート方式導入に反省
西友、再建へ正念場 ウォルマート式難航

根本的な店の経営哲学、お客さまとどうお付き合いするのかという理念から見直した方が早いと思うのですが、今どきめずらしいというか、マクドナルドとよく似た迷走ぶりで、まだまだ西友は厳しい状況が続きそうです。アメリカだから成功したウォルマート商法の幻想を追うよりは、お客さまとか外部に耳を傾けたらいいのにと思いますがどうでしょうね。あるいはダイエー再建でも参考にしたほうがいいのじゃないかとすら思えてきます。
社内から選抜する20人程度の幹部候補生に、経営や財務、マーケティングなど経営トップに必要な知識や考え方などを教える西友経営塾を来月から開催し、トップを担う人材を育成するというのは立派だと思いますが、小売業に欠かせないお客さまへの感性やハートも育てて欲しいところです。小売業は理屈だけじゃないですからね。
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「保守」って死語じゃないかな。

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毎日新聞で「戦後60年決議:「国際貢献」前面に 総保守化傾向を反映」というタイトル記事がありした。まだ「保守」という言葉を使っているのですね。「保守対革新」という構図はもはや過去の話で、実際、現実の政治の流れは「保守」とか「革新」という言葉の本来的な意味合いとは大きくかけ離れて動いてきています。いまだに「保守」「革新」という実態とはかけ離れた言葉を使い続けている新聞社というか記者の人の認識や視点、また言葉に対するゼンスには疑問を感じざるをえませんね。そういった言葉を使うことは実際の政治の課題をゆがめて伝えかねず、もうそろそろ新しい言葉を使ったほうがいいように感じます。
保守的と言えば、社民党や共産党はいっさいの変化を認めないので、すざまじい保守主義者であり、郵政民営化をとなえる小泉さんは、新しい革新を求めているので、革新勢力ですね。もう時代は、保守とか、革新では語れません。
むしろ分かれてきているのは、国内的には、できるだ、ダムや道路という土木工事や福祉も含め、国民の福祉を中心に考えようと言う社会民主主義的流れと、できるだけ政府の関与を小さくしていこうという流れの対立があり、国際的には、アジア、とくに台頭してきた中国を重視しリスクを分散させる外交か、中国とは距離を置いて日米同盟に軸を置いた外交に徹するのかとの違いがあるだけじゃないでしょうか。
歴史認識とか靖国問題とかいう情緒的な問題は多様な認識があって当然であり、本質だとは到底思えません。それよりは世界唯一の被爆国なのだという現実のほうが日本にとっては大切なことかもしれません。
それよりは、財政再建にしても、年金問題にしても、少子化についても、国民の目線に立って、新しい知恵を出して、社会や政治にイノベーションを起こしてくれる本当の「革新」が登場して欲しいですね。
もう新しい知恵がでてこない社民党や共産党の役割は、ヨーロッパのそういった政党のように新しい時代にふさわしい姿に脱皮しない限り、とっくに終わっているように感じます。
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事業は失敗から学び成長するとはいうけれど-楽天

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 楽天が、「セキュリティ本部」を設置し、三木谷社長の陣頭指揮のもとに「コスト度外視」で新しい顧客管理体制を導入するそうです。今回の楽天のテナントであるAMCのクレジットカード番号を含む顧客情報の流出問題は、楽天の屋台骨を揺るがす問題に発展しかねないだけに、そうとう危機感があるのだと思います。
新 システム「カード決済代行あんしんサービス」は、個別の店舗がクレジットカード暗号を直接触れずに決済する方式です。迅速な対応は評価したい思いますが、 しかし、今までがそうでなかったこと、個別の店舗でクレジット処理をする方式だったことに違和感を持つ人は多いのではないでしょうか。
新しくスタートするシステムが当初は無料ですが、年内には1万4000店の全加盟店舗を楽天が二月から導入した、カード会社と包括加盟契約を結び一括して決済承認依頼を行うクレジットカード自動決済サービス「R-Card Plus」に強制的に移行する方針だそうです。
問題は各テナントに決済代行サービス料が余計にかかったり、運用体制も変わるなどで伸び悩んでいたシステムだけに、各テナントの理解がえられるかどうかの課題が残ります。
三 木谷社長は「実質的なコストアップにはならない。オペレーションが自動化でき、吸収できる。また、顧客の安心感が増して取引高が増加、成長につながる。皆 さんの理解は得られる」と強気ですが、クレジットカードが不正使用されていたとしても、被害が発覚するのは1ヶ月はかかるのでまだ事態が収束したとはいえ ませんから、これから被害の状況がどうなるのか、また新システムにテナントがついてきてくれるのか、三木谷社長の内心はヒヤヒヤものでしょうね。
しかし感じるのは、もうすこしこういったECポータルの競争が激化してくれたほうが、サービスの高度化が促進され、出店店舗にとっても、利用者にとってもハピーじゃないかと感じます。
さあ、セキュリティの強化が迫られ、新システムに移行することが楽天の信用を高め、さらに強みになるのか、新システム移行に伴って、Yahooなどに流出するテナントが増えシェアを落とすことになるのか、さあ果たしてサイの目はどうでるのでしょうか。
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アスベスト問題は省庁も政治も犯人みたいだ

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知り合いの人が、近所でアスベストがむき出しになっている建物を発見して、市役所に通報、相談したところ、担当が違うとたらい回しにあって、挙げ句の果ては、民間の調査機関で調べてもらってくれと会社を紹介されたという信じられない話があったのはつい先月のことです。地方もアスベストに対しての対処、また対策の方針づくりが遅れていおり、指導もないので、例のごとく疫人の病的な習性をむき出したということでしょう。
アスベストは、発病までの潜伏期間が15年とか40年、50年とと長く、潜伏期間が長く、労災請求の時効になってしまったというケースも珍しくないぐらいですが、高度成長期の「静かな時限爆弾の導火線に火がついた」といわれるほど、これからどんどん被害が拡大してくることが懸念されています。高度成長期に建てられた大量の建物が老朽化し、立て替え時期に入ってくると、その解体工事でさらにアスベストが大量に飛散する状況が想定されるからです。

しかし、このアスベスト問題は、日本の縦割り行政の歪みとか、政治も行政も国民に目を向けるというよりは業界の立場に立ってしまって対処が大きく遅れたようです。それは発展途上国型からの体質そのものであり、まだまともな先進国になりきれていない行政や政治の後進性によって、潜在的な被害が広がってしまったことが徐々にあきらかになってきています。
アスベスト問題は、日本でどんどん使い続けていた頃には、海外では規制の流れになりました。すでに1981年のアメリカで、アスベストの危険性を何十年も前から知りながら無視して製造を続け、労働者や消費者の健康を危険にさらしたとしてマンビル社が懲罰的な賠償を命じられたのを機に、欧米でアスベスト規制の動きが盛んになり、欧米ではアスベスト使用が激減します。全面禁止は、ノルウェイが84年、オランダ91年、ドイツ93年、フランス96年ですが(殺人繊維アスベスト禍を30年以上放置した「国の大罪」)、日本では2008年にずれ込むそうです。
残念なのは、日本はアスベストの普及が欧米より遅く、すでに海外で被害がでてきてから、それを無視して使用量をどんどん増やしてしまったことです。環境庁も労働厚生省もアスベストの危険性を認識していたにもかかわらず問題を放置し、業界が経済産業省や自民党に働きかけ、その後押しをしてしまったという構図です。92年に、アスベスト規制案が審議もしないで廃案にしてしまった自民党の責任も重いですね。環境省も、労働厚生省も、海外でも被害が多発したことをわかっていながら、手をつけず放置してきたことは、問題があると分かっていながらなにも手をつけない無作為が問われない日本ならではで、薬害エイズと同じように疫人の犯罪という色彩も濃厚になってきています。

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