ライブドア対フジテレビの攻防で、新たにとんでもない人が参戦してきました。総務省の官僚が干渉してくるのかと思っていたところ、「日本は神の国」といって総理をやめた森さんです。発言をニュースで聞いて思わず愕然としました。「若干疑問を感じる。カネさえあれば何でもいいんだ。力ずくでやれるんだという考え方は日本の教育の成果かと(疑問に)思う」「電波は国民のもので、それを金で買うというのはどうか」という趣旨の発言でした。

ちょっと論理的に破綻しているんじゃないでしょうか。それなら、放送局が株式会社であることを認めていることはどうなるのでしょうか。合法的に株を買い、それが結果として経営権を握ったとして、何が問題なのでしょうか。
電波が国民のものとしても、運営は民間に委ねられており、運営基準として、放送法などの法的規制があります。それを遵守するという問題と、株式をどこが所有するのかという問題とは違う次元の話です。森さんの発言は、放送の内容がどうか、きちんとルールに従った放送であるのかどうかと言う問題を踏み越えた、会社の経営に対する政治家の干渉です。

政治家の発言、まして前総理の発言としてはいかがなものでしょうか。日本は法治国家であり、森さんの恣意的な考え方でなりたつ国ではないはずです。もっと慎重に、また冷静にごらんになったらどうでしょうか。
日枝さんは、テレビのエンターテインメント・コンテンツを広げてきた実績があり、その苦労して築き上げてきた会社が、小さなニッポン放送株の売買で、支配権が派生することに抵抗があることは現場の心情としてはまだ理解できます。しかしなんで関係のない森さんが干渉するのでしょうか。

しかも、インターネットで配信される時代になると、この放送に対する規制も意味がなくなります。だから、許認可で既得権をもった放送局と、配信するコンテンツを求めるインターネット企業との激しい軋轢、攻防が当然起こってきます。インターネットの普及と高度化が必要だというのは森さんにも異論がないはずです。インターネットが高度化すると電波とインターネット通信は境がなくなるのです。放送はそういった端境期に向かっていっているのです。
そんななかで今回の問題も起こりました。堀江さんもおっしゃるように、ライブドアでなくとも、どこかがしかけてくるのです。そういった時代の変化も視野に入れて発言したいところです。
今回の発言は、森さんは、時代変化が見えていないという印象を受けました。さらに法的なしくみも無視して、ただ放送という聖域に、ライブドアが踏み込んだというアレルギーで反応を示したとしか受け止められません。それでは説得力がありません。

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