財務省の速報によると、日本の貿易収支は、18兆5908億円と、2年連続で過去最高を記録したそうです。(産経新聞)日本経済が最悪の事態から立ち直った原因は、構造改革の成果と言うよりも、輸出が伸びたという色合いのほうが濃いですね。しかも中国貿易の伸び、いわゆる中国特需も貢献していることは否定できません。

貿易収支グラフ


 











さて中国側から、2004年の税関統計が発表されましたが(産経新聞)、日本からの輸入額が前年比27.2%増の943億ドル(約九兆九千億円)に上り、日本が依然として中国にとって最大の輸入相手国であり、貿易収支も、中国側の対日貿易赤字は2003年の147億ドルから208億ドル(約二兆二千億円)に拡大しています。
貿易収支の点では、90年代前半までは対中国貿易は日本からの輸出が大きく上回っていました。しかし、90年代後半は、どんどん中国からの輸入が増え、2001年には貿易赤字となります。どうも、このころから中国警戒論が急速度に高まってきたように感じます。しかし、それも一年だけで、まるでリバウンドするように中国への輸出が伸びてきています。
まだ、対中国貿易黒字は、対米貿易黒字額の2割弱とはいえ、対米貿易黒字が頭打ちになってきただけに大きいですね。

アメリカとの違い
日本が貿易で稼いでいるのとは対照的に、アメリカの貿易赤字は拡大するばかりです。昨年も、前年比24.4%増の6177億2500万ドル(約65兆円)に達し、3年連続で過去最悪を更新しています。(毎日新聞
最大の貿易赤字国は中国です。2000年に、対日貿易赤字を上回り、対中国貿易赤字がどんどん拡大し、赤字全体の約4分の1を占めるにまで至っています。
さて、対中国貿易で日本はなぜ稼げ、アメリカは赤字になってしまうのかです。その大きな原因と思われるのは2点です。
アメリカは、国際分業という流れの中で工場が空洞化してしまいました。たとえば、PCを考えてみましょう。ブランドはアメリカでも、部品も海外からの調達、組み立ても海外です。もの作りのほとんどを海外に頼ってしまった結果、消費が伸びれば伸びるほど輸入が増え、貿易赤字は拡大していきます。
日本も工場の空洞化の危機が叫ばれてきましたが、なんとか日本でしかつくれないモノ、技術を追求してきた結果、空洞化に歯止めがかかってきたということだと思います。
つぎに、同じ事かもしれませんが、日本は実は、最終製品で強いだけでなく、技術を必要とする製造装置や素材、さらに部品といった中間財に強い国です。中国で高度な製品が生産されるにしたがって、日本のそういった中間財が必要になってきます。組み立てという点では、日本も中国に工場をつくって、中国での生産が増加してきましたが、主要な部品は日本から調達しているということです。
だから、中国の内需であれ、また輸出であっても、中国で生産されるモノが、高度な装置や製品に移るにつれ、日本からの輸入が増えるという構造にもなってきています。
これは、対韓国の貿易でも言えることです。韓国の産業の高度化が進めば進むほど、韓国の対日貿易収支の赤字はこのところ拡大してきています。

難しい日本の立場
こうやって見ると、日本は貿易としてはいまだに強い国です。しかし新たな脅威の火種が生まれてきているこことも事実です。それはアメリカ経済です。アメリカは、財政と貿易の双子の赤字が広がるばかり。アメリカ経済は異常事態を迎えてきたといわざるをえません。
イラク戦争への出費が重なり、また増税もままならず、財政赤字に歯止めがかかる見通しがありません。貿易赤字も産業が空洞化してしまったことに原因があるので改善は難しくなってしまっています。
日本の立場も難しくなってきました。アメリカは経済が危なく警戒水域に達してきた。しかし安全保障ではアメリカがやはり頼りになる。中国経済の伸びを当面当てにしないとやっていけない。しかし、中国に向くと政治のぎくしゃくがある。EUは元気がなく、しかも経済を囲いこんでいる。日本もそうとうしたたかでないとやっていけない時代になってきましたね。
しかも国内に目を向けると、財政赤字はいっこうに解消できないばかりか、さらに膨らみ、また少子高齢化時代にどう対処するのかと言う展望もありません。
そうやって眺めてみると、自民党であれ、民主党であれ、のんびりしている政治家が多いと感じませんか。

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