三菱自動車の企業ぐるみの欠陥隠しによって起こった事故で、尊い生命が失われたばかりか、今や三菱自動車は、企業の存続すら危うい窮地に陥っています。そこで働く人たち、また下請け工場をはじめ、三菱自動車と取引を行っている会社にも危機が広がってきています。マスコミも叩くばかりが能ではないでしょといいたくなります。

三菱自動車は、全従業員に「コンプライアンス(法の遵守)」に関する誓約書をとったといいますが、「法さえま守ればよい」ということはなりません。それは最低限の措置だと思います。
問題は、一連の「欠陥を隠す」という決定が、組織ぐるみであり、三菱自動車の企業文化や体質そのものであったということです。そこには、「三菱自動車という会社を守り、存続させ、発展させる」という発想しかなく、「顧客は、製品の単なる市場の受け皿」としてしか考えられていなかったことがうかがい知れます。「会社」ばかりで「顧客」が見えてこないのです。そこには、「企業は顧客の開発代理人」というマーケティング・マインドが全く感じられません。顧客に目がむけられていないのです。これは、根深い企業文化、また体質の欠陥です。「普通」の会社ではありません。「普通」の会社にとっては、同じと思われるのは大迷惑です。
さて、文化や体質ということですが、お客さまの利益(金銭的な問題だけではありません)を最大化する、お客さまとの対話を通して、さらに市場機会を発見し、製品やサービスの革新をはかっていくというマーケティング・マインドや、それを支えるしくみづくりは、一朝一夕に根づくものではありません。

文化や体質は、人びとの考え方や行動の仕方の根っこに潜んでいて、なかなか取り扱うことがやっかいな問題です。文化や体質を変えることはたやすいことではないのです。それこそ根が深いのです。
かつて中国では「文化大革命」に国家をあげて、膨大なエネルギーをかけましたが大失敗しました。今日の中東情勢を見ても、イスラム文化と欧米文化がなじまずギャップが広がる一方です。「食」の文化を見てもわかります。これだけ情報化や物流がすすみ、日本は比較的人口の移動が多いにもかかわらず、関東では、いまだに「うすくち醤油」を売っているスーパーはほとんどありません。肉と言えば、関西では「牛肉」であり、関東では「豚肉」です。

文化や体質を変えることは難しいのす。かつて日産は、社長は天皇といわれ、その側近の人たちは、トップのライバルであった人を、アメリカの市場を開拓したという大きな功績があったにもかかわらず、社史からも抹殺したり、トップが海外に出張するとなると、大名行列のようにお付きの人たちが取り囲んだといいます。ビル・ゲイツが一人で出張するのとは大違いでした。やはり、病気としいかいいようのない文化や体質がありました。
その日産も、ゴーンさんが大きく変えました。なぜ変えることができたのでしょうか。ゴーンさんが能力の高い経営者であったということもありますが、本質的には、日産とは違う文化や体質の持ち主であり、その人が強いリーダーシップを発揮したということにあると思います。三菱自動車も、強いリーダーシップを持った、文化も体質もまったく異なる人材にきてもらわなければ、思い切った改革の推進者としては期待できません。

さらに、文化や体質は、そこに欠陥があるといっても、直接的に変えようとしても無駄だと感じます。研修や体質改善運動などから得られる成果は小さく、「喉もと過ぎれば元に戻る」世界です。「食」でいえば、関東でいくら「うすくち醤油」をPRしても無駄というのに近いですね。
会社の文化や体質を変えるためには、業務が変わり、日々の仕事で新しい体験する、そこから学ぶということが絶対条件です。逆ではありません。文化や体質を変えれば、仕事が変わるという考え方には無理があり幻想にしかすぎません、その逆です。新しい仕事のしかたや新しい体験を通して、文化や体質は変わっていきます。
この点でも、三菱自動車は、今までと違う仕事のしかた、ものごとの決めかたや価値観、つまり異文化を持った人びとを取り入れることが改革の早道です。そういった、改革の道筋が見えてきたときにはじめて、社会は、ほんとうに「やる気」だという評価をしてくれる筈です。
三菱自動車には、まだ、改革の展望は見えてきません。今後の経営判断に注目したいところです。



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