最初から個人向けとして生まれたものは別として、コンピュータにしても、携帯電話にしても、あるいは、ソフトウェアにしても、多くは最初は企業でまず普及し、価格が落ちるとともに個人へも普及していくというのが一般的な普及のパターンですが、ブログは逆です。個人の利用が進み、それから企業での活用が模索されはじめています。ビジネスブログの増加を見込んで、有限会社イーナチュラル、またExciteで、さっそくビジネスブログの情報サイトがスタートしました。また「e売る仕組み研究所」さんの「ビジネスブログ実践会」のようにビジネスブログの啓蒙をコツコツとされていることころもあります。
さて、企業ブログですが期待や関心は高まってきているようです。しかし、案外落とし穴があるように思います。企業ブログでは、P&Gアリエールの「I ラブ 困ったさん」が注目を浴びましたが、3ヶ月の運用で昨年の11月30日に終了しています。これはユーザー主導のブログでした。日産の「TIDA BLOG」は、日産の担当者の方が書き込み、ユーザーの人たちがコメントやトラックバックを寄せるというスタイルですが、イーナチュラルさんの[ビズブロ界のキーマンに聞く!:第1回 TIIDA BLOG]をみても、その苦労は察してあまりありますね。ひとつの商品で、話題をつくり出すことが大変です。しかも、ユーザーの素早い反応にあわせて展開を考えていかなければなりません。

個人のブログは、個人の責任で思いつくままに好きなテーマ、好きな視点で書いていけます。しかし、企業からの公式のメッセージとなると、そうはいきません。メッセージに対する企業は責任を負わないといけなくなってしまいます。ユーザー参加になると、なにが書き込まれるかコントロールが困難です。どこに漂着するのかの予測がつきません。
ブログは双方向でユーザーと企業が直結できるという理想は頭の中ではいくらでも描けますが、過度に追求しすぎると双方向コミュニケーションを維持する文化や体制、しくみが問われてくることになります。

また、ブログは検索サイトで上位にくるという魅力があります。「大西宏のマーケティング・エッセンス」も「順索くん」で調べると、Googleで「マーケティング」をキーワードで検索するとなんと本日現在は25位ですからびっくりしますね。しかし、これも、更新頻度が高く、またみなさまからリンクをはっていただいたり、コメントやトラックバックをいただいているからで、ブログが「生きて」いないとそうはいきませんね。

こう書くとビジネスブログに否定的だと誤解されそうですが、ただいえることがあります。まずは小さく産んで大きく育てようです。社内にブログの文化をまずは育てることからはじめていくというのはいかがでしょうか。ブログにかかる労力や情熱、またその本質を感じるキーとなる人たちがいないと企業ブログは維持することはとうていできません。外部まかせでは運用できないですからね。軽い利用となると、社内報イントラネット版ということもできるでしょう。研究職の人たちのコラボレーションにも向いていそうです。いきなりナレッジマネジメントというのはお奨めできません。

小さな会社は個人ブログで鍛えた人がいれば、ブログは情報発信の武器になってくることはいうまでもありません。会社と個人の境界があまりないのでメッセージに自由度が高く、いい情報や視点さえあればブログとして成りたちます。
この「大西宏のマーケティング・エッセンス」も、個人ブログなのか、ビジネスブログなのか、はたまた社長ブログなのか境界がはっきりしません。仲間の「営業支援ASP - ActionCockpit開発記 By 開発者」もランチの話題あり、大阪紹介ありで、個人ブログなのかビジネスブログなのかの境界線がありません。個人が前面に出てくる-それがブログの本質ですからね。しかし、ホームページを補完する目的の公式ブログは全くスタイルを変えています。
いずれにしても、ブログの企業利用は始まったばかりです。まだまだ実験段階なのでしょう。今後どのようなビジネスブログが登場してくるか楽しみです。

そのような点では、昨年ご紹介した梅花女子大学の「baika.blog」は、入学志願者に向けて、学園のコミュニティと人びとを知ってもらうという狙いであり、無理がなく感じがいいですね。現在も続いています。このブログから、ビジネスブログのヒントもでてくるのではないでしょうか。

参考エントリー: ブロッガーって知ってる?

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