今年は、真夏日の日数も観測史上1位だったということもあり、来春は、花粉の飛散量が例年の2〜3倍、今年の10〜20倍になるといわれています。
花粉症なので、つらい春になりそうです。目がかゆい、くしゃみがでるというだけでなく、集中力がなくなります。嫌ですね。

思い起こすと、昨年の今頃は、花粉が飛びはじめることを待ちに待っていました。花粉症に関連する商品を開発し、デビューさせたばかりだったからです。しかし、ニュースではほとんで花粉が飛ばないと報道され、また実際そうなりました。当然ながら、花粉対策商品はどれも不調に終わったことはいうまでもありません。しかし、この商品はまずまず成功したと思っています。
今日のテーマは偶然を必然に変えるということです。もっといえば、流れ(モメンタム)を掴めです。これもマーケティングの極意かもしれません。
世の中は、何が幸いするかわかりません。市場が不調だと、新製品としては厳しいというのが一般的な見方ですが、逆に激しい競争に巻き込まれないということも起こるのです。花粉が飛ばないということで、実際に各社の営業活動の動きも鈍りました。そんななかで、具体的にどのような作戦行動をとったのかは、仕事柄書けませんが、それが幸いしました。

偶然や予測しない事態が起こるのはあたりまえ

アメリカンフットボールやラグビーという楕円球を使うスポーツではボールがバウンドしたとき、どこにボールがいくか分からないことがあります。そんなひとつのバウンドで起こった偶然の悪戯で、思わない出来事が起こることがあります。それで試合の流れがまったく変わってしまうことがあるのです。拮抗しているゲームだと、偶然が生み出した流れ(モメンタム)の変化を、どれだけ上手に掴かみ、また逃さないかでゲームが決まることがほとんどです。
マーケティングも同じことです。いくら、綿密にシナリオを描いても、先に何が起こるかは私たちの想像や予測の域を超えていることが多いのです。「現実」は「計画」よりもはるかに複雑であり、魔可不思議です。偶然の変化が起こった、予測しない事態が起こるというほうが自然かもしれません。
だから、大切なのは偶然や予測しない事態とどう付き合うかです。あるいは、それをどのようにいかすかだと思います。最悪はそれを眺めるだけで動かないことです。もっと最悪は、気づきもしない、考えもしない、商品を発売したら後は関心もないということです。

偶然をとらえ、流れを掴む鍵はふたつ

情報力と機動力だと思います。情報力というのは、小さな変化も見逃さない情報のアンテナがあるかどうかです。マーケティング実務では、市場の最前線で活動している営業の人たちとの情報のホットラインがあるかどうかが大きいですね。今の時代はPOS情報などで売れ行きの変化を見ることもできますが、具体的にどのような変化が起こっており、なぜ起こっているかは、営業の人たちの現場情報がない判断できません。
経験的には、営業の人たちとのホットラインを強化するというのは、もちろん仕組みの問題も大きいのですが、それよりはまず信頼関係です。当社は営業情報があがってこないと愚痴をいうかたがいらっしゃいますが、聞かないから情報がこないのです。
もうひとつは機動力です。どれだけすばやく変化に応じた手を打てるのか、どれだけすばやく作戦行動を修正できるかです。それは「決める」速さであり、決めたことを「実行に移す」速さです。
面白いもので、この情報力と機動力は善循環が起こってきます。実際に動くから、営業の人たちもどんどん情報や提案をくれます。また実際の活動をすることで、さらに今まで分からなかったことや、さらに深い情報が入ってきます。そうして、偶然に起こったことから学ぶことで、偶然が必然に変わっていくのです。つまり勝ちパターンを見つけるということです。

今日の市場は複雑な要素がからんで動いています。なかなか教科書通りにはいきません。そのときに偶然と思ったことも、後で振り返るとなるべくしておこったことかもしれません。それは結果論であり、渦中にいるとわかりません。
現代のマーケティング実務では、ますます偶然や予測しなかったことへの対処能力が問われてきているように思います。情報感度をいつも磨き、機動的に変化に対処する筋肉質なチームをつくっていかないと、情報力と機動力の善循環を回して、偶然を必然に変えていくというマジックは生まれてこないことは間違いないですね。

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