大西 宏のマーケティング・エッセンス

価格は何故崩れるのか

マスコミや経済評論家の人たちの多くは、今日のデフレ傾向を、中国や東南アジア諸国の安い製品との競争が原因だという論調が目立っています。その要因も否定はしません。しかし、私がマーケティングで関わっているデジタルカメラの分野とか、ドラッグストアで売られる一般医薬品(OTC)の分野では、そういった海外製品との競争はほとんどありません。デジタルカメラは特に、世界のマーケットでも、ほとんど日本企業の独占状態であり、中国生産も、日本ブランドの製造でしかありません。一般医薬品も規制の厳しい分野で、競争しているのは国内メーカー同士です。現実派、どちらの分野でも、よほどの策を講じないと、価格はどんどん落ちていきます。なぜでしょうか?続きを読む

ブランドパワー

チャネルや店頭(プレイス)、広告宣伝や販売促進(プロモーション)です。これらをいかに効果的に組み合わせていくかをマーケティング・ミックスと言います。しかし、実際のマーケティングでは、それらと同様、あるいはそれ以上にブランドが重要な役割を果たしてきます。ブランド力は、商品の選択に大きく影響するだけでなく、価格にも影響してきます。強いブランドの商品は、弱いブランドの商品より高くとも買われます。
ブランドのパワーは、誰もがわかることだと思いますが、ブランド力は、どのようにして創り出されていくかという点は、ともすれば広告の質や量だけを考えがちです。もちろん広告やパブリシティによって作り出されるということは否定できないことですが、それだけではありません。それこそ、先ほど述べた4Pのすべてが関係してきます。商品の企画が悪かったり、品質が悪かったりして、買った人の満足度が低いと、いかに強いブランドであっても、イメージが損なわれていきます。バーゲン価格でどんどん売り出されてくると、やはりイメージダウンです。どんな店で売られており、店頭でどのような扱いをされているかにも関わってきます。またブランド・イメージを培っていくのは、並大抵のことではありませんが、崩れるのは瞬間ということもあります。回転ドアの事件で、あの六本木ヒルズのイメージは大きく崩れてしましました。ブランド・イメージづくりが、日本で上手な会社といえば、まずSONYが浮かんできますが、商品の品質が悪いといううわさが絶えず、また、さまざまな技術分野で、他社が先行し始めると、新しい時代を拓くチャレンジャーとしてのイメージは、どんどん劣化していっています。ブランドは、マーケティングの問題でもありますが、もっと企業の哲学や、実際の経営の内容といった根源的な問題にも関係してきます。情報化が進めば進むほど、ブランドはパワーを発揮してきます。買う人たちも情報を頼りに商品を選んでいるからです。

マーケティングが変わった

マーケティングは時代とともにずいぶん変化してきました。
そもそも、マーケティングという言葉ですら、私が社会人になった頃は(もう30年も前なので本人もびっくりですが)、ごく限られた人にしか知られていない言葉でした。マーケティングというと、「そんな理屈で商品は売れないぞ」などという人がほとんどでした。
でも最近は,ビジネス社会で活躍なさっている方なら、きっとどなたもご存知だと思います。「体力と根性だけで仕事ができる時代は終わった。ちょっとはマーケティングを考えなさい」と言われそうな時代になりました。
マーケティングは、商品やサービス、また、広告や販売促進活動を通じて、お客さまとの関係を生み出し、広げていく活動ですが、お客さまが時代とともに変わってきました。
どのような変化があったのかを次回以降で考えて見ましょう。

グッド・マーケティングは、グッド・チームから生まれる

幸運なことに、私は、マーケティング・プロジェクトのチームメンバーとして、いくつかの成功を経験させてもらってきました。プロ野球でしたら、ピッチャーの勝率とか、防御率、あるいは打者の打率という数字がありますが、マーケティングの世界でもそういった数字があるとすると、かなりの勝率だと勝手に思っています。成功体験というのは、財産です。つい最近も、目薬の分野で面白い仕事をさせてもらいましたが、その会社のトップから、なぜ成功したのかとご質問を受けましたが、どのようなマーケティングのしかけを行ったかを説明しました。しかし、「戦略は結果として描かれる」ものです。一番確実なのは、グッドチームを作ったからにほかなりません。グッドチームが生まれると、課題に対して次々にアイデアが膨らんでいきます。生き生きしたコラボレーションが生まれてきます。これまでの成功体験の背景には、必ず、グッドチームが存在していました。マーケティングは、ひとりの情報や知恵だけでは、なかなか生きた解決は生まれてきません。まずはグッドチームは、ピンチを救う、あるいは成功の女神を引き寄せるゴッドチームともいえます。いいマーケティングを展開したいと思われたら、まずはグッドチームを編成し育てる。そこからはじめてみてはいかがですか?続きを読む
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大西 宏のプロフィール
マーケティングの実践の畑を歩んできました。生活用品・インテリア・化粧品・デジカメ・産業財など多くのジャンルに関わってきましたが、CI、人事システム、情報システム開発などのプロジェクトも体験しており本職がなにかを疑われそうです。
バブル以降、マーケティングは冬の時代であったと思いますが、昨今は、マーケティングを見直す機運が高まってきており嬉しい限りです。

■コア・コンセプト研究所代表取締役
■ビジネスラボ代表取締役

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